第96回選抜高校野球大会の選考委員会が実施され、いよいよ今年の出場32校が決定した。今大会は、新基準の『低反発のバット』の導入が決まり、過去に比べて試合でどのような違いが起きるのかも注目が集まる。
【北海道 1】
北海道は従来どおりの1枠。秋の北海道大会で優勝した北海(3年ぶり14回目)が決定した。(補欠 東海大札幌)
【東北 2→3】
東北地区は、これまで6県の参加校がありながら、わずか2校と厳しいゾーンだったが、今回3校に増えて出場の機会が広がった。
青森 青森山田(8年ぶり3回目)八戸学院光星(5年ぶり11回目)
福島 学法石川(33年ぶり4回目)
(補欠 一関学院 鶴岡東)
埼玉県と神奈川県からは選ばれず
【関東・東京 6】
東京は1校で関東が5校。埼玉県と神奈川県からは選ばれず、秋の関東大会ベスト8の千葉・中央学院が選出された。
茨城 常総学院(3年ぶり11回目)
栃木 作新学院(2年連続12回目)
群馬 健大高崎(2年連続7回目)
千葉 中央学院(6年ぶり2回目)
東京 関東一(8年ぶり7回目)
山梨 山梨学院(3年連続7回目)
(補欠 桐光学園 花咲徳栄 創価)
【東海 2→3】
東海地区は、2校から3校に出場校枠が増えた。
愛知 豊川(10年ぶり2回目) 愛工大名電(12年ぶり10回目)
三重 宇治山田商(16年ぶり2回目)
(補欠 藤枝明誠 県岐阜商)
被災した輪島市から…日本航空石川が聖地へ
【北信越 2+1(神宮大会枠)】
北信越地区は、星稜が昨秋の神宮大会で優勝したことで、地区での選出枠が3校になり、能登半島地震の被害を受けた石川県輪島市にある「日本航空石川」の出場が決定した。現在は山梨県にある日本航空高校のキャンパスで練習している同校が、甲子園を沸かせる姿に全国から期待が集まる。
石川 星稜(2年ぶり16回目) 日本航空石川(6年ぶり3回目)
福井 敦賀気比(4年連続11回目)
(補欠 北陸 帝京長岡)
【近畿 6】
強豪校ひしめく近畿地区は6校の出場枠。大阪桐蔭は史上初の近畿大会3連覇。京都から2校、和歌山も21世紀枠の「田辺」含む2校が出場。
滋賀 近江(2年ぶり7回目)
京都 京都外大西(8年ぶり7回目) 京都国際(3年ぶり2回目)
大阪 大阪桐蔭(4年連続15回目)
兵庫 報徳学園(2年連続23回目)
和歌山 耐久(初出場)
(補欠 履正社 須磨翔風)
中国・四国は狭き門となった
【中国 2】
中国地区は、従来の中国・四国で5校(中国地区と四国地区がそれぞれ2校を選出した後、どちらかが3校目を選出する方式)から、2校のみの選考に限定されることなった。
広島 広陵(3年連続27回目)
岡山 創志学園(7年ぶり4回目)
(補欠 宇部鴻城 高川学園)
【四国 2】
四国地区も、中国地区同様2校のみの選出となった。
高知 高知(3年連続21回目)
徳島 阿南光(32年ぶり2回目)
(補欠 鳴門 明徳義塾)
【九州 4】
九州地区は、従来どおりの4枠。
熊本 熊本国府(初出場)
大分 明豊(3年ぶり6回目)
鹿児島 神村学園(9年ぶり6回目)
福岡 東海大福岡(7年ぶり3回目)
(補欠 大分舞鶴 延岡学園)
21世紀枠は「牛の数が人口の8倍 別海」と「76年ぶり出場 田辺」
★21世紀枠 別海(北海道)初出場
最低気温0℃未満の冬日が年平均で半年以上、日照時間も短いが、農業用ハウスを活用するなど工夫して練習してきた。農業、漁業に従事する町民の支援を受けて、手作り練習設備を利用する姿が高校野球の理念にふさわしいと、推薦された。
選手16人で北海道大会ベスト4入り。牛の数が人口の8倍ともいわれる別海町を盛り上げたことも高く評価された。
★21世紀枠 田辺(和歌山県)76年ぶり3回目の出場
スクールカウンセラーと連携して、イップスを克服するサポートをしたり、対人関係の相談に乗ったりするなど、対話重視。これからの時代の在り方として評価された。
実力も申し分なく、昨秋の県大会で、強豪の市立和歌山、智弁和歌山を撃破して準優勝。こちらもベンチメンバーあわせて20人に満たない学校だが、野球教室を開くなど、地域貢献にも努めている。
21世紀枠の補欠校は、鹿児島の鶴丸と、宮城の仙台一、いずれも文武両道の学校が選ばれた。開幕は3月18日だ。