阪神タイガース38年ぶり日本一の熱が冷めやらぬ中、激闘を繰り広げた2チームによる「阪神タイガース、オリックス・バファローズ優勝記念パレード」が23日、大阪と兵庫で行われました。

 両会場の合計来場者は、開催終わりの速報値で96万人と発表されました。しかし同日中に上方修正され、最終的に100万人と発表されました。実行委員会によりますと、兵庫会場で午前に行われた阪神のパレードの来場者数を26万人から4万人増とし、30万人に上方修正したのです。

【大阪】 午前(オリックス)20万人 午後(阪神)35万人
【兵庫】 午前(阪神)26万人+4万人 午後(オリックス)15万人

 結果「100万人が熱狂したVパレード」になりましたが、そもそもイベントの来場者数は、どうやって数えているのでしょうか?本パレードの兵庫会場を担当した兵庫県県民生活部に話を聞きました。どうして4万人も増えたのでしょうか?

速報値の後に確認「オリックス待ちのファン」発見

 県によると事前の警備計画で出した「最大収容人数」が基準になります。今回は、沿道の観覧スペースの面積から、最大で約25万人と推定。パレード本番に入ると、各所に設置されたカメラで混み具合を確認して、推定の「何割ほど埋まっているか」を見て算出するということでした。

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 実際は、観覧スペースは満員となり、後方にあふれた人も確認できたことから速報値で26万人と発表。しかし速報値の後、詳しく確認すると、▽想定した観覧スペース以外にも観覧客がいたことがわかり、さらに、▽午後のオリックスパレードに備えてスペース外ですでに待機していたファンもいたことから、4万人上方修正とし、最終的に30万人で発表したということです。

兵庫の担当者は、「今回の算出方法はあくまでも一例であり、決められた方法があるわけではないのでイベントごとに変わる。」と話しました。では、他のイベントは、どのような方法で数えているのでしょうか?

花火大会や初詣、数え方を聞いてみた

 関西で行われるイベントの担当者に聞いてみました。関西最大の花火大会の一つ、「びわ湖大花火大会」では、ある年に算出した数を「基準来場者数」と定めて、その年の状況と比較することで算出しているそうです。

 10年以上前に、会場付近の主要駅の利用者数や、高速道路ICの利用者数、用意した観覧席の数、地域住民の数、対岸の人の集まりなど、想定されるあらゆる要素から、その年の観覧客を35万人と算出したそうです。それ以後は、観覧席の数や駅利用者数など、実数として把握しやすい数字のみをチェックし、基準の年と比べることで算出しているということです。ちなみに今年は、基準年よりも5万人減の、約30万人と発表されました。

100万人以上が集まる初詣の数え方

続いては、新年早々混雑が予想される『初詣』。全国有数の参拝者数を誇る大阪の住吉大社では、参拝者数を「前年との比較」で算出しているそうです。境内の混雑具合と、混雑継続時間をスタッフが目視で計測。加えて初詣期間に設定している3段階の警備レベルのうち、「どのレベルがどれだけ続いたか」をデータで残しておき、それらの情報を前年度と比較するといいます。例えば、昨年の三が日の参拝者数は約92万人でしたが、それぞれのデータから今年は昨年の4割増という計算となって、最終的に約128万人と発表されました。

 あれこれ調べてみると、それぞれのイベントで、独自の算出方法を用いていることが分かりました。観光庁に確認したところ、「算出方法の例はいくつか提示しているものの、実際の算出方法は各実施団体に任せています。」ということで、国としての決定もないそうです。

 今回話を聞いたいずれのイベントの担当者も、「どうしても人間の主観で推測せざるを得ないので、あくまで目安の数字です。」と口をそろえました。目安ではあるものの、こうした「来場者数」今回のパレードなら100万人という数値は、私たちが“盛り上がり”を実感するうえで、最も分かりやすい指標であることは間違いないでしょう。

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