その年のプロ野球ドラフトで、同学年に目玉クラスの選手が複数いるときは、「高校生ビッグ〇」と称されることは珍しくなく、実際に揃ってプロ入りを果たした選手も多い。今年の高校野球も、プロ注目のスラッガー「ビッグ3」が夏の甲子園を沸かせているが、そのスケールもまさに‘ビッグ’だ。

◆佐々木麟太郎(3年)【花巻東・岩手】

身長184cm 体重113kg(今大会最重量)右投げ左打ち。歴代最多の高校通算140本を誇る稀代のHRアーティスト。菊池雄星(ブルージェイズ)と大谷翔平(エンゼルス)、2人のメジャーリーガーを育てた花巻東・佐々木洋監督の息子である。

<8月8日 花巻東 4-1 宇部鴻城(山口)>
佐々木は3番・ファーストで先発出場し、甲子園初ヒットを含む3打数3安打1打点1敬遠の活躍で勝利に貢献。高校最後の夏、絶好のスタートをきった。2回戦は13日、北北海道のクラーク国際と対戦する。

◆真鍋慧(けいた)(3年)【広陵・広島】

身長189cm 体重92kg 右投げ左打ち。甲子園で優勝3回、準優勝7回の名門・広陵で1年秋から4番を任される大砲。ホームランは高校通算62本。その長打力からついたニックネームは「広陵の(バリー・)ボンズ」。

<8月11日 広陵 8―3 立正大淞南(島根)>
春夏通じて3度目の甲子園となった真鍋、3番・ファーストで出場した初戦は、4打数2安打3打点1四球と大活躍した。これで、甲子園通算25打数12安打、打率.480 7打点とし、大舞台での勝負強さを改めて証明した。次戦は強豪、慶応(神奈川)との注目の対戦だ。

◆佐倉俠史朗(きょうしろう)(3年)【九州国際大付・福岡】

身長184cm 体重110kg 右投げ左打ち。1年春からベンチ入り、秋には4番を任された。1年秋に出場した明治神宮大会では準決勝の大阪桐蔭戦で、同じくプロ注目の同級生・前田悠伍投手からホームランを放つなど、この世代を代表するスラッガー。ホームランは高校通算31本、チームの主将も任されている中心選手だ。

<8月12日 土浦日大(茨城) 3-0 九州国際大付>
ビッグ3の1人が初戦で甲子園を去った。4番・ファーストで出場した佐倉は鋭い当たりを放つも相手の好守に阻まれるなど4打数1安打。最後の打席で意地のヒットを打ったが、チームは無得点に抑えこまれた。49校の最後に登場し、2回戦からはじまった九州国際大付だが、開幕戦を延長タイブレークで勝利して勢いに乗る土浦日大を止めることができなかった。

ビッグな体格 すでにプロ級の3人

初戦で明暗が分かれた3人の強打者だが、なによりも‘ビッグ’なのがその体格だ。2023シーズンの日本のプロ野球選手の平均身長は180.6cm、平均体重は85.1kg(記者調べ)。ビッグ3は高校3年生にして、身長も体重もすでに「プロ超え」、しかも揃って右投げ左打ちのスラッガーとあって比較対象となることも多い。

過去に「高校生ビッグ〇」と注目を浴びた選手たちの多くは、高卒でドラフト指名を受けている。2023年 高校生ビッグ3の「最後の夏」、さらに「今後の進路」からも目が離せない。

(参考)近年の高校ビッグ〇 プロへの道
◆2017年 高校生スラッガービッグ3
清宮 幸太郎 <早稲田実(西東京) →日本ハムドラフト1位>
安田 尚憲  <履正社(大阪)  →ロッテドラフト1位>
村上 宗隆  <九州学院(熊本) →ヤクルトドラフト1位>

◆2019年 高校生投手ビッグ4
佐々木 朗希 <大船渡(岩手) →ロッテドラフト1位>
奥川 恭伸  <星稜(石川)  →ヤクルトドラフト1位>
西 純矢   <創志学園(岡山) →阪神ドラフト1位>
及川 雅貴  <横浜(神奈川) →阪神ドラフト3位>

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