開幕から5戦5勝の大竹耕太郎。5月20日の登板で球団タイ記録の6戦6勝は逃したものの、この日は7回無失点の投球で、防御率は脅威の0.48。昨年オフから導入された現役ドラフト制度で移籍した選手たちの中で、開幕から最も活躍していると言っても過言ではない。

 ここまでの活躍の要因は一体何なのか?「ミスタータイガース」掛布雅之氏は、レギュラー出演するMBSテレビ「グッジョブ!」の20日(土)朝7時の生放送で、その真相を解説した。掛布氏が注目したのは、大竹の『チェンジアップ』だ。

 (掛布雅之氏)
 「落ちるチェンジアップではなくて、浮き上がるような雰囲気が感じられる。(通常の投手は)チェンジアップをシュート回転させて落としたりするが、大竹のチェンジアップはスーッと伸びるようなかんじ」
チェンジアップ握り.jpg
 この不思議な魔球の秘密は「ボールの握り方」にあると掛布氏は見ており、例えば、通常のように落ちるチェンジアップを投げる阪神・伊藤将司の場合は、親指と小指でボールを挟んで握り、それ以外の指は浮いているように見えるが、大竹は中指と薬指でストレートと同じ握り方をしてチェンジアップを投げているため、浮き上がるような軌道になるのだとスタジオで自らボールを使って実演解説した。

 さらに、掛布氏は大竹の投球術を絶賛した。

 (掛布雅之氏)
 「同じ腕の振り方でチェンジアップとストレートを投げ分けられる。しかもバッターからボールを隠すのが上手い、バッターにボールを見せない(投球フォーム)。いきなりボールが見えて、ストレートとチェンジアップを投げ分けられるので、バッターからするとタイミングが取れない」

 その姿はまるでかつての巨人のエース「堀内恒夫氏」に重なると語り、「堀内さんは晩年200勝するためにチェンジアップを投げていた。それから僕は打てなくなった」と、しのぎを削ったライバル球団のエースに匹敵する投球をしていると評価した。

 ミスタータイガースも太鼓判を押す“魔球を操る救世主”の活躍に今後も注目していきたい。