「スポーツを愛する多くの人に支えられて、Jリーグは今日大きな夢の実現に向かってその第一歩を踏み出します」。1993年5月15日、川渕三郎チェアマン(当時)の開会宣言から30年。Jリーグは「Jリーグ30周年記念イベント」を開催。「明治安田J30ベストアワーズ」が実施されて、ベストイレブン、MVPが選出されました。

30年の歴史の中で数々のスターと記憶に残る選手を輩出してきたJリーグ。ファンやメディアの投票を通して選ばれたMVPは、現役のJリーガーで歴代最多のJ1で672試合の出場を誇る遠藤保仁選手(ジュビロ磐田)。遠藤選手は1998年に鹿児島実業から横浜フリューゲルスに入団。天皇杯優勝を最後に消滅した伝説のチームから、京都パープルサンガを経て、2001年からはガンバ大阪に入団。明神智和選手、橋本英郎選手、二川孝広選手といったテクニカルな選手とともに、攻撃でスピード感あふれる中盤を形成。2005年に関西初のリーグ優勝を果たすと、2008年にはアジア・チャンピオンズ・リーグ制覇に貢献。宇佐美貴史選手や今野泰幸選手が加わった2014年には国内3冠を達成。Jリーグのベストイレブンに12回選出されるとともに、ガンバに数々のタイトルをもたらしました。海外移籍に踏み切る選手が多い中、「Jリーグでも成長できる」を文字どおり体現した選手。日本代表でも歴代最多の国際Aマッチ152試合に出場。2010年のWC南アフリカ大会デンマーク戦では決勝トーナメント進出を決定づけるFKからのゴールで日本中に歓喜を呼び込みました。

ベストイレブンには、遠藤選手のほかに、同年代で現役の小野伸二選手、Jリーグ開幕時からのスーパースターで今もポルトガルで奮闘中の三浦知良選手、滋賀県の守山高校出身で横浜マリノスで30年前の開幕戦のピッチにたっていた井原正巳氏、現役生活の最後を京都サンガでプレーした田中マルクス闘莉王氏など、伝説のレジェンド選手が選ばれました。

受賞に際し「非常にうれしく思うし光栄に思っている」と語った遠藤選手。2020年途中から所属するジュビロ磐田では今も主力メンバーで活躍中。26年目、43歳で迎えている今シーズンも「すごく楽しく、充実したサッカー人生を送れています」と語った後、「Jリーグにかかわる全ての方々に感謝している」という言葉でJリーグへの思いを締めくくりました。

ベストイレブンは、以下のとおり(所属は、最後に在籍したチーム)

GK 川口 能活(SC相模原)

DF 井原 正巳(浦和レッズ)
   内田 篤人(鹿島アントラーズ)
   田中マルクス闘莉王(京都サンガF.C.)
   中澤 佑二(横浜F・マリノス)
   松田 直樹(松本山雅FC)

MF 遠藤 保仁(ジュビロ磐田)
   小野 伸二(北海道コンサドーレ札幌)
   中村 憲剛(川崎フロンターレ)
   中村 俊輔(横浜FC)

FW 三浦 知良(UDオリヴェイレンセ/ポルトガル)