3月28日、ボクシングの元WBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太選手(37)が引退会見を行いました。村田選手は奈良県出身で、中学時代に担任を務めていて現在は奈良市立大安寺小学校の校長となっている北出忠徳先生に、当時の村田選手について話を聞きました。

 (北出忠徳先生)
 「先輩から目をつけられてケンカをふっかけられるとか、突然ね、職員室で窓を見ていると村田くんが金髪で来たんですね。金髪のままだと学校生活ができないから黒くしようか、と。そのときはすんなり“じゃあ戻すわ”ということで、素直に言ったことは聞いてくれるというか、話ができる生徒だったなと思っています」

 そんな村田選手がボクシングを始めたキッカケは?

 (北出忠徳先生)
 「伏見中学校の近くに奈良工業高校(現:奈良朱雀高校)があったんですね。そこでボクシング教室を始めるという新聞記事をたまたま読んだんですよ。ちょうど家庭訪問をして、彼の部屋に行って話をしていて、そこで、なんかしたいことはないか?と。それで、ボクシング教室をするみたいやけどどうや?と。“じゃあ行くわ”と言ったんで、一緒に車に乗っけてそのまま奈良工業高校に行ってみたんです」
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 中学卒業後、北出先生にとって嬉しいことがありました。

 (北出忠徳先生)
 「新聞を持ってやってきてくれて、たぶんあれ高校5冠を達成したときの新聞記事やったと思うんですけど、それを頑張ったんやということで見せに来てくれて。そのときは本当に嬉しかったですね、やっぱり」
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 去年の5月にも村田選手と会った北出先生。村田選手から言われた一言が?

 (北出忠徳先生)
 「彼が言うのには、確かに先生のおかげで今があるかもしれへんけども、キッカケは作ってもらったと、でも頑張ったんは俺やから、と笑」
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 村田選手は、2012年ロンドン五輪・男子ボクシングミドル級にアマチュアとして出場し、1964年の東京五輪以来48年ぶり2人目となるボクシング日本人選手の金メダル獲得も成し遂げました。その翌年にプロに転向し、2017年にWBA世界ミドル級王座を獲得し、日本人選手として初めてアマチュアとプロの両方で世界王者に輝きました。その後、一度は王座から陥落したものの、2019年に再びWBA王者に返り咲きます。そして2022年には、カザフスタンのゲンナジール・ゴロフキン選手とWBA・IBFの2つの団体の王座をかけた統一選で激突しましたが、9回TKO負けという結果となっていました。