連日、熱戦が繰りひろげられているセンバツ高校野球大会。5日目は、雲ひとつない晴天の絶好のコンディションの中で3試合が行われました。

第1試合は、山口「光」と滋賀「彦根総合」の初出場同士の対戦。

試合開始から、光は主将でエースの升田早人投手が好投。伸びのあるストレートを軸に、彦根総合につけ入る隙を与えません。

彦根総合も、先発の背番号10勝田新一朗投手が粘り強いピッチング。毎回のようにランナーを背負いながら、得点を許しません。

試合が動いたのは8回。光は、疲れの見え始めた勝田投手から、7回途中に代わったエースの左腕、野下陽祐投手を攻めてツーアウト1塁2塁のチャンス。

5番の岡本一颯選手が、1、2塁間をしぶとく破るタイムリーヒット、ついに均衡を破ります。

9回にも、1点を加えた光、2点のリードを、「甲子園のマウンドは投げやすくて、自分の思っている以上の球速、制球力を出せた」という升田投手が、11三振を奪う力強いピッチングで守り切って、2対0で勝利。春夏通じて待望の甲子園初勝利をあげました。

続く第2試合は、前評判の高い平野大地投手擁する千葉「専大松戸」と、静岡「常葉大菊川」の対戦。試合中に、WBCで日本代表の優勝がスコアボードを通じて伝えられると、球場は、祝福ムードに包まれました。

専大松戸は1回に、太田遥斗選手のタイムリーなどで3点を先制すると、平野投手が、期待にたがわぬ投球で、強力な常葉打線を抑えていきます。

「勝つことに最善を尽くした。気持ちで投げ抜いた。」と語ったように、要所要所で変化球をうまく使う、頭脳的で粘り強いピッチング。

132球の熱投による完封劇。専大松戸が、大黒柱の粘投でうれしいセンバツ初勝利です。

第3試合は、21世枠で出場した、選手12人の徳島「城東」と東京「東海大菅生」の対戦。

試合前、「一球でも多く、選手にノックを受けてほしいという想いで始めた。」という13人目の部員・女子マネージャーの永野悠奈さんが、史上初となる甲子園での見事なノックを披露すると、アルプスにつめかけた大応援団だけでなく、球場全体から惜しみない拍手が送られました。

試合は、城東が、その大応援団を背に、鍛え上げられたプレーを見せます。

1対1で迎えた2回、ラストバッターの長谷鴻志郎選手が、1アウト1塁3塁のチャンスで見事にセーフティースクイズを決めて勝ち越し。秋の東京大会を制した東海大菅生から、リードを奪います。

しかし3回、東海大菅生は3番酒井駿輔選手のタイムリースリーベースで逆転、その後も得点を加えて、城東を突き放します。

それでも、城東はあきらめません、5対2で迎えた9回には、ツーアウトから粘りを見せて、1塁2塁、大きなチャンスを作ります。

しかし、最後は、東海大菅生のエース日當直喜投手の前に、一歩及ばずゲームセット。

マネージャーの永野さんを含めた部員13人が一丸となって徳島大会ベスト4入りを果たした城東の挑戦は、アルプスの大きな拍手とともに、幕を閉じました。