3日目を迎えたセンバツ高校野球大会、第1試合から地元兵庫の社、第3試合には大会連覇を狙う大阪桐蔭が登場するとあって、平日の月曜日にもかかわらず、大勢の観衆が詰めかけた。

第1試合は、その社と長崎の海星の対戦。大観衆を背に好プレーを見せる社に対し、海星は冷静な試合運びで対抗。1回、2回と足を絡めた攻撃で着実に得点を奪うと、1点差に迫られた5回には、2アウト1、2塁のチャンスにキャプテンの田川一心選手が、「初球の真っすぐにしっかりと自分のスイングで振り抜くことができた」と語った2点タイムリースリーベースヒット。

さらに8回、1アウト3塁1塁の場面、3塁走者の平尾幸志郎選手がサードごろの間に判断よくホームを陥れて追加点。「機動力については時間をかけて練習をしてきた」という海星が持ち味である走力を発揮して5対1で勝利。昨年の夏の大会に続いての初戦突破を果たした。

続く第2試合は、今大会ナンバーワンの注目スラッガー真鍋慧(けいた)選手擁する広島の広陵と東京の二松学舎付が対戦。1点を先制した広陵は5回、2アウト3塁のチャンスに、「絶対、(ランナーを)返してやろうという気持ちで打席に入った」というその眞鍋選手が、レフトへのタイムリーヒット。さらに4番小林隼翔選手、5番只石貫太選手が連続タイムリーツーベース。広陵らしいたたみかける攻撃で一気に試合の主導権を握ります。

守っては、先発した右の高尾響投手が8回を無失点に抑える好投。この日3安打の眞鍋選手、ショートでたびたび好守備を見せた小林選手、9回に盤石のリリーフを見せた左の倉重聡投手と、攻守に隙のない戦いをみせた広陵が5対0の快勝。75回大会(2003年)以来の4度目のセンバツ制覇に向けて好スタートを切った。

第3試合は、史上初のセンバツ2回目の連覇を狙う大阪桐蔭が登場。今大会ナンバーワンの呼び声も高い、キャプテンでエースの前田悠伍選手が、福井の敦賀気比相手に、さすがのピッチングでチームを救います。3回に2点を先制した大阪桐蔭。だが、その後は攻守に粘り強い敦賀気比の前に大苦戦。4回に守備の乱れで1点を失うと、たびたびスコアリングポジションにランナーを背負う苦しい展開。しかし、ここで「1点を許せば相手に流れがいくと思って力をいれた」と語った前田投手が、圧巻の投球。「今日、一番良かった」というチェンジアップを効果的に使って、得点を許しません。

さらに「後半に向かっては相手を圧倒する持ち味の強気のピッチングを心掛けた」というように、ギアをあげて敦賀気比打線を圧倒していきます。終わってみれば、毎回の14三振を奪う力投。前田投手の力投に応えて、打線も8回に追加点。優勝した昨年と全く同じスコアーの3対1での初戦勝利。大阪桐蔭が偉業に向けてまずは第一関門を突破した。