新型コロナ感染が増える中、もし感染したらどうすればいいのでしょうか。感染症法上の位置付けが5類へ移行したことで、患者側には「病院へ行っていいのか」といった戸惑いも。各自治体が24時間相談電話で対応しています。今回の症状について関西医科大学附属病院・宮下修行教授は「喉のかゆみやイガイガから痛み、そして発熱というのが特徴」と話します。(2023年7月12日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

◎宮下修行氏(関西医科大学附属病院教授 呼吸器・感染症内科 感染症が専門で肺炎などの診察を担当)

コロナ感染どうすれば?事前にかかりつけ医が診察可能か調べておくのが得策

―今、コロナはどういう状況なのか、関西医科大学付属病院の宮下教授の解説です。

夜間、緊急に診てほしいという人も多いのですが、他にも理由聞くと、コロナはどの病院でも診てもらえるようになったといわれるものの、本当に直接病院で受診して大丈夫なのかな、ちゃんと診てもらえるのかなと躊躇する声もあったといいます。感染された方もケースバイケースだと思いますけど、やはり病院に行っていいの?大丈夫なの?と迷われる方が多いみたいです。

宮下修行教授:病院もコロナの患者さん、例えば発熱の患者さんは時間を分けて診ていたり、場所を分けて診たりというところが結構多いです。この時間帯は診てくれる、この時間帯はちょっと診ませんというようなところがありますので、あらかじめ調べておくというのが得策だと思いますね。

―私も感染しましたが、近所にかかりつけ医がいて、そこは発熱したら、まず電話をしてくださいと言ってクリニックに入るんじゃなくて、外でまず検査してくださいというシステムになっているのは私はわかっていたから迷わずクリニックに電話できたんです。地元の病院とか、かかりつけ医がどういう対応するのか知っておく必要があるかもしれないですね。

宮下修行教授:これまでは保健所が面倒見てくれたわけです。今は自分でやらないといけないということですから、あらかじめ自分がかかったときのことというのは想定しておく必要はあると思いますね。

―新型コロナが5類に移行し、医療機関は「応召義務」つまりは基本的にはお医者さんは治療や診察を拒んではいけないというふうにはなっているんですが、現状は院内の感染対策がなかなか難しいなどの理由で、別の医療機関を紹介されることもあるそうなんです。国や自治体は設備、整備の支援を行っている最中です。

宮下修行教授:応召義務は必ずありますけれども、ちゃんとした医者といいますか医療機関を紹介すれば、これは全く問題ありませんので。やはり院内感染がかなり起こる病気ですから、どうしても場所的に、これを診ることが困難なところというのは致し方ないと思っています。
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―国や自治体が設備の支援も行っているということですね?

豊田真由子氏:ただ、現場で患者さんと揉めるといけないので言っておくと、今の法律的な整理っていうのは応召義務は正当な理由があったら断っていてなっているんですけども、コロナは正当な事由に該当しません。つまり基本的な原則としては応召義務があるので診てくださいってというのが原則です。ただ設備が整ってませんとか、あと動線を分けられませんとか、それぞれ医療機関で事情があるので、その場合は仕方ないので他の医療機関を紹介してくださいっていう整理になっているので、そういう相互理解の上に、それぞれの医療機関がどうなっているかってことを知ることが大事。ただその設備の支援を行っているんですけども、ちっちゃくて感染エリア分けられないっていう場合は、もうどうしようもないってこともあるのでそこは診てくれるところに診てくれる時間に行かれるっていうことが多分一番、世の中的には大事かなと思います。
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―事前に知るということでいうと、コロナになった場合の不安、疑問に24時間の電話相談窓口を開設中です。各自治体のホームページで事前に確認することをおすすめします。ホームページに電話番号も載っていますので、お住まいの地域を一度調べてみてください。そしてどれくらいの人がコロナに今なっているのか。6月26日の週は、定点あたりの報告数、全国平均は7.24人となっています。参考で、インフルエンザの場合は、10人以上が注意報、30人以上が警報です。関西は和歌山や奈良が平均よりも少しだけ多いかなと。ただ鹿児島・沖縄見てみると、沖縄は全国平均の7倍。地域によってずいぶん差がありますよね。

宮下修行教授:大都市の方が密ですから、感染は起こしやすいように見えますが、私はやっぱり一番重要なのは感染対策が県によって違うんではないのかなと思います。大阪の人っていうのは怖がりの方が多いんじゃないのかな。だから身を守られてる方が結構多いなというのは私の印象です。沖縄はやっぱりインバウンドもありますし、観光客がいますし、知らない間に運んできてそれが広がってしまう。そこで感染対策がおろそかなら、あっという間に広がってしまうという図式になりますね。
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REINAさん:しかも5類にコロナが移行して我々も忘れるわけではないですが、毎日ニュースで聞くようになったので、ちょっと油断してしまったりとか、回感染対策がちょっと足りていなかったという場合もあると思うので改めて気をつけなきゃいけないかなと。

今のコロナ症状は咽頭痛が特徴。喉痛から発熱のパターン

宮下修行教授:今一番の特徴は「喉」ですね。咽頭痛、または熱。咽頭痛から喉痛ですよね。喉がかゆいとかイガイガするとか、そこから始まる方が多くて、そして喉が痛くなって熱が出るこのパターンが一番多いですね。

―(河田アナ)先日、2回目かかりました。私も喉の痛みがありましたし、咳が続きましたし、お医者さんに診てもらったら、喉に水疱ができているというふうに診断されました。

宮下修行教授:今、水疱ができる一番多いのは「ヘルパンギーナ」という病気ですね。夏風邪のウイルスですけどね、これが多いんですが、どちらかというと子どものタイプのウイルスですね。

―再感染という話でいいますと、名古屋工業大学・平田晃正教授に話を伺いました。2020年4月から2023年1月にコロナに罹患した約85万人分の診療データの傾向です。約97%の人が1回の感染で、2回目の感染が2.83%、そして6回以上かかった人というのもいるそうです。複数回の感染は若年層の割合が多いですよということでした。私の周りでも、自分も含めて2回感染という人は結構いるんですが、豊田さんはこのパーセンテージはどういうふうに見ますか。

豊田真由子氏:通常のインフルエンザとかも何回も何回もかかるじゃないですか。結局かかってもできた免疫って、時間が経つと低減してしまうのでかかるもんだっていうこと。あとすごく大事だなと思うのが、5類になってもパンデミックが終わっても、ウイルスがいなくなったわけじゃなくて、むしろ新型ってなっていたけど、もうそれが身近なものになる。たくさんいるウイルスと共存していく一つになったんだよっていうふうに理解しないと、多分感染の波は来ることもあると思いますし、続いていくので、そういうもんだなっていうふうに思いを持っていただくしかないかなと。怖い怖くないかって話ではないんですが、常にそこにいるんだよっていうふうにしないと。何回もかかることもありますし、波が来ることもありますし、そこを粛々と受け止めて、でもやっぱり亡くなったり、後遺症が出たりってこともあるので、なるべくリスクは回避するっていう。

―確かに高齢の方リスクの高い方もいらっしゃいますので、やはりかからないのが一番だと思いますが、改めて教えてください。

宮下修行教授:今のオミクロンはXBB系統というのが流行っていまして、特に1.5というものと1.16というものが今は流行っている。XBBもたくさんあるんですね。これらの特徴は、例えばその前はBA.5が流行っていました。その前はBA.2が流行っていましたけども、これに全く効果がない。これに感染してても簡単に感染しやすいというものですから、いわゆる免疫逃避で、1回かかってもまた次にかかってしまう。だから感染対策が少しやっぱり緩いのが若い方、我々の病院でも見られるかなというには思いますね。