奈良県知事選で、日本維新の会が擁立した元生駒市長の新人・山下真さん(54)が、7万票近い差をつけて勝利しました。

 (維新・新人 山下真さん)
 「なんとしても奈良県の政治を変えてほしいという声が多かったと思います。必ず奈良県が変わったと後世の人から評価されるように全身全霊を尽くして、私は知事として私の生涯を全うしたい」

 維新が公認する候補が知事になるのは大阪以外で初めてのこと。その背景には奈良で起きた保守分裂がありました。

 4月9日の午後8時ごろ、支援者らに向けて頭を下げたのは、自民県連の推薦を受けて立候補した元総務官僚の新人・平木省さん(48)です。

 (無・新人 平木省さん)
 「今回は私の力不足で結果を出せなかったことにつきましては、まずはおわびを申し上げたいと思います」

 平木さんの後ろ盾は奈良県連会長の高市早苗大臣ですが、総務省の行政文書を巡り国会対応に追われた高市大臣が選挙期間中に奈良入りしたのは投票日2日前の1度だけでした。

 (高市早苗大臣 4月7日)
 「私は東京で毎日毎日忙しいけれど、でもわかります。この人が知事になったら奈良県は今よりもっとよくなる。必ず逆転できる。そこまで相手の背中が見えています」

 1日で巻き返せると力強く訴えましたが、山下さんとの差を埋めることはできませんでした。

 一方、5選を目指した現職の荒井正吾知事(78)。自民県連の一部が自主支援するなどして奮闘しましたが、こちらも票を伸ばすことはできませんでした。

 (無・現職 荒井正吾さん)
 「この度の戦い、皆さまがたが誇らしく、正々堂々と誠実に戦い抜いていただきましたたことを、私にとりましては清々しい気持ちにさえなっております」

 共倒れした自民候補の漁夫の利を得ることになった山下さん。奈良県政史上初の民間出身のリーダーの誕生です。

 (維新・新人 山下真さん)
 「県政に新しい風を吹かせてほしい、そういった期待の声だと思いますので、その期待に応えられるように頑張りたいと思います」