4月9日に投開票が行われた大阪府知事選挙と大阪市長選挙のダブル選。いずれも大阪維新の会の候補者が当選を果たしました。また、大阪維新の会は大阪府議選と大阪市議選の両方で単独過半数となる議席を獲得しました。

 (大阪維新の会 吉村洋文さん)
 「この12年間、維新の会の政治、大阪府政・市政、そこが間違っていなかったということだと思います。ここについて『さらに加速させていけ』という府民・市民の皆さんのご意見だと思います」

 こう喜びの声を語ったのは大阪府知事選で再選を果たした大阪維新の会の吉村洋文さんです。大差で勝利を納めましたが、その裏では課題もありました。
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 (松井一郎さん 4月8日)
 「長年ありがとうございました。お世話になりました。ありがとう!感謝です!」

 維新を創設した前代表であり前市長である松井一郎さんの政界引退です。
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 (松井一郎さん 3月26日)
 「ネクストステージは吉村さん・横山さんの『YYコンビ』でワイワイ(Y・Y)ガヤガヤ、にぎやかな大阪をどんどんこれからも作っていけばいいんです」

 後継の市長候補として擁立したのが大阪維新の会で前府議の横山英幸さん。吉村・横山の頭文字にちなみ「YYコンビ」と名づけてセット売りを行いました。

 (大阪維新の会 吉村洋文さん 3月26日)
 「横山さんは実力がある。ぜひ大阪市長として頑張ってもらいたいと思いますし、横山さんとセットでぜひやらせてもらいたいと思うんです」

 知名度アップに向け、吉村さんと松井さんが40回近く応援に入りました。実は、この光景…。
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 (大阪維新の会 橋下徹代表(当時) 2015年)
 「ここは吉村さんに、人柄の良い上品な吉村さんにちょっと直してもらいますから大丈夫です」

 吉村さん自身が2015年に大阪市長選に初挑戦した際に、当時代表だった橋下徹さんが行った手法と同じでした。その結果、大阪府知事・大阪市長のダブル選は吉村さんと横山さんの圧勝で終わりました。
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 また今回は党の看板政策である「大阪都構想」を封印して臨んだ初めての選挙戦。吉村さんは自身の進退をかけて挑んでいました。

 (大阪維新の会 吉村洋文さん 2022年12月)
 「大阪市議会の過半数を目指すというのを大阪維新の会の代表として目標として公言して掲げる以上、これを必ず実現させたいと思っています。これが実現できなければ大阪維新の会の代表を辞任します」
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 去年12月に大阪市議選で維新が過半数獲得できなければ代表を辞任する意向を表明。実は維新はこれまで市議会では一度も過半数をとったことがありませんでした。そこでとった作戦が…。
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 (大阪維新の会 吉村洋文さん 3月30日)
 「4人の選挙区ですけれども、維新から3人立候補しています。近藤さんは新人でこれからチャレンジ」

 現職の議員がいる選挙区にも新たに追加で新人の候補を擁立。お互いに競わせながら議席を増やすことを目指しました。その結果、前回よりも議席を増やし、初めて過半数をとることに成功しました。
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 府議会でも過半数を維持し、大阪の4つの選挙で完勝を果たした維新。4月9日、会見で3度目の都構想挑戦について質問が飛ぶと…?

 (大阪維新の会 吉村洋文さん)
 「大阪維新の会として『都構想』の看板は下げているわけではありません。僕自身が現時点では目指さないと、結論によって変わっているものではありません。でも、そういう声が多かったなと非常に肌で感じている」
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 (大阪維新の会 横山英幸さん)
 「看板政策といいますか、ずっと掲げている理念ではあるので、全く可能性を排除するというのも違うと思います」

 3度目の挑戦に含みを持たせました。
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 4月10日午前11時ごろ、約200人の職員らに迎えられて初登庁した横山新市長。

 (大阪市 横山英幸新市長)
 「すごく前向きな気持ちです。市民の皆さまに附託していただいた思いを前に進めるしかないなという覚悟と決意の思いです」