舞台は愛知県豊橋市。全米が憧れた「アイクラホーム」を参考にした、アメリカンな家とその暮らしを紹介する。

 住人(アルジ)は子どもが1人いる会社員の夫妻。昨年、2人の地元に新居を構えた。白のガルバリウム鋼板に覆われ、ひときわ存在感を放つ平屋は、「アイクラホーム」というアメリカの家を参考に建てたものだという。

 アイクラホームとは、アメリカで1940年代から70年代にかけて人気を集めたリーズナブルな建売住宅のこと。そのモダンなデザインから日本でも根強い人気を誇り、今ではアイクラホームを模した住宅が建てられている。

 アイクラホームの特徴が、平屋と大きく迫り出した屋根と梁(はり)。そんな家の玄関扉を開けると、まず中庭が現れる。これもアイクラホームの特徴である、空を望むアトリウム。各部屋に光を届けてくれるこの贅沢な空間が、アメリカで爆発的人気を呼ぶきっかけになったのだそう。

「大好き」を詰め込んだ宝箱のような家

 リビングは28帖もあり、大きな窓からは光が差し込んでいる。ガラス窓を多用して開放的にするのもアイクラホームの特徴の1つだ。実は、この家は妻の実家の広大な敷地の中に建てており、実際に窓からはまるで本場アメリカのような開放感のある抜群の眺めも楽しめる。

 結婚後、賃貸アパートで暮らしていた夫妻は、子どもの誕生を機にマイホームを計画。小さな頃からアメリカのおもちゃなどに親しんでいた夫が思い描いていた家が、アイクラホームだった。家を建てる前には夫妻で本場アメリカを視察。そして建築家に依頼し、妻の実家の敷地に現代版アイクラホームを建てたのだった。

 しかし、夫の好みばかり受け入れるととんでもないことになるため、住人(アルジ)夫妻の間には、「最終ジャッジは妻がする」という約束事があるそうで・・・憧れと現実の狭間で夫妻の熱いバトルを繰り広げつつ、理想のアメリカンな暮らしを追求している。

天井高3.2mのリビング コストを抑えつつ「アイクラホーム」の特徴を取り入れる

 リビングの天井高は3.2m。アイクラホームの天井や壁は白で統一されているが、住人(アルジ)の家では天井の木の質感はそのままに。壁は白くしたが、コストを抑えるためベニヤ板にペンキを直塗りした。

 そんな白い壁に取り付けたのが、夫が惚れ込み、妻の承諾も得たイギリスの老舗家具メーカーの棚。そこに夫のお気に入りの雑貨を並べているが、すべて妻に確認を取り、“一軍”の雑貨だけを飾っているそう。

アメリカンな雰囲気を保つためキッチンは〇〇を徹底

 キッチンはあえてコンパクトにして、家事楽動線とコストダウンを実現した。アメリカンな雰囲気を保つために、キッチン用品や消耗品はすべて海外のものを使い、日本製のものは引き出しなどに徹底して隠している。

 キッチンの奥は、アトリウムから明るい光が差し込む水回り。イタリアのおしゃれなアンティーク家具に配管を通して、洗面台として使っている。洗面台の上のイタリア製の歯磨き粉はディスプレー用。普段使う日本製の歯磨き粉は引き出しにしまっている。

夫妻の憧れ「アイクラホーム」でのアメリカンな暮らし

 憧れのアイクラホームでのアメリカンな暮らし。今後、夫は「アメリカンっぽい家なので、いろんな人を呼んでホームパーティーやバーベキューをしていきたい」と展望を語る。実際に、家を訪れた友人は「おもちゃ箱みたいなおうちだね」と言ってくれるそうで、妻も「うれしかった。みんなそんな反応をしてくれます」と喜ぶ。

 大好きだけを詰め込んだ宝箱のような家。これからもどんどん輝きを増していくことだろう。

(MBS『住人十色』2025年5月10日放送より TVerでも放送後1週間配信中)