3月21日(金)にオープンするグラングリーン大阪南館。通常、大規模なオフィスビルは徐々にテナントが埋まるものですが、グラングリーン大阪南館はすでに85%のオフィスが契約内定しています。大阪・梅田の一等地で家賃が高額なのに、なぜオフィス契約が殺到しているのか?グラングリーンの担当者やオフィスの企業を取材しました。
大阪駅前に3月21日開業するグラングリーン大阪南館。パークタワー、サウスタワー、ゲートタワーの3つの複合ビルです。関西の人気店を集めたおしゃれなフードマーケットに梅田の景色を一望できるインフィニティプールや、ゆったり体を癒せる「うめきた温泉 蓮 Wellbeing Park」をはじめファッション、雑貨、飲食店などが55店舗が入ります。
梅田の一等地で賃料はトップクラスなのに…オフィス契約が殺到!?
そんな話題のグラングリーン大阪南館で最も広い面積を占めるのがオフィスフロア!駅前一等地のオフィスとは一体どんなところなのか?山中真アナウンサーが案内してもらうと…
(三菱地所グラングリーン大阪室・神林祐一室長)「窓の先がうめきた公園。公園の緑を建物の中にも引き込んでくるというコンセプト」
(山中アナ)「気になるのがロボットいますよね?」
(神林祐一室長)「警備ロボットでカメラがついていて(人が倒れているなど)異常を検知すると防災センターにお知らせがいって人が対応する」
そんな最新ビルで社員が実際に働く場所がパークタワーの6階から27階に入るオフィスフロア。各階とも「ロの字型」でぐるっと一周できる作りになっていて、全面ガラス張りの窓からは梅田のまちが遠くまで見渡せます。
(神林祐一室長)「1250坪(約4100平方メートル)。大阪でワンフロアが一番大きいオフィスだと思う。このフロアで400人くらいが働ける」
広いオフィスで気になるのが家賃ですが…
(神林祐一室長)「家賃は(梅田の)どこよりもトップクラスだと思います」
梅田のオフィス賃料の平均は1坪約2万5000円だといいます(出典:三幸エステート)。ここだと1250坪、単純計算でひと月3000万円以上になります!とすると、「トップクラス」の賃料とは一体、いくらになるのか…。
(神林祐一室長)「(Qそれでも企業が入ってくる?)かなりの会社にご関心をいただいています。“投資”と見ていただいている会社が増えている」
家賃が高くとも…オフィス移転は「必要な投資」
梅田の一等地のオフィスを借りる企業は一体、何に“投資”しているのか?実際に入居を決めた企業に話を聞きました。大阪市東成区に本社を構えるコクヨ。約90年、この地で活動してきました。そんな地域密着型の大手企業が、グラングリーン大阪へオフィス移転を決めたわけは…
(コクヨ・新居臨さん)「ここから先、さらなる持続的成長を考えたときに多くの企業・人々が交差する梅田が我々にとって非常に魅力的だった」
実はコクヨは、文房具以外にもオフィス家具を製作しています。オフィス自体を自社商品のショールームのように使う「ライブオフィス」という取り組みをしてきましたが、多く企業が入る都心のオフィスビルならば、見てもらえる機会も確実に増えるはず。移転によって業績アップはもちろん、他社との連携など会社の成長に期待しています。
(新居臨さん)「多くの企業が『おもしろい ユニークだね』と言っていただける働き方を実験していきたい」
自社ビルの老朽化などを理由に移転先を探していたのは農機具メーカー大手のクボタ。グラングリーン大阪への移転は、会社の未来のために「必要な投資」といいます。
(クボタ・佐野順さん)「(梅田は)若い方も集まってきやすい土地。優秀人材の獲得でますます競争が激しくなるので、アクセスの良さと新しいオフィスは(新卒で入社する)学生目線からもプラスになると思います」
「梅田にオフィスがある」という環境的な魅力が新たな人材確保に直結すると考えています。現在の社員からは…
(入社1年目)「高層ビルの中で働けるのでとても楽しみにしてます。先輩や同期と帰りにおいしいごはんをいっぱい食べられるのもモチベーションにつながる」
今回のグラングリーン大阪南館をはじめ近年、大阪駅近くには多くのオフィスビルがつぎつぎと誕生。それでも企業の入居が決まり埋まっていくのが、いまの梅田のオフィス需要だと専門家は言います。
(りそな総合研究所・荒木秀之さん)「関西の一等地・梅田に本社があるのはPR効果、狙いもあると思う。高い家賃を払ってでも移転したいと。企業の好調ぶりもわかりますし、これからの関西に期待しているところも含めていい動き。梅田の価値が上がっていくことは関西全体の底上げにもゆくゆくはつながるので経済的な価値も効果もあると思います」
「健康」を魅力に“企業から選ばれるオフィス”に
その一方で「企業に選ばれるオフィス」になるためには、立地や新しさだけではない、より差別化された魅力が必要になるといいます。
新しくできたグラングリーン大阪南館が企業から選ばれるオフィスになるべく打ち出した独自の魅力は「健康」です。
最先端の計測機器を使った体力レベルの判定や、自分の体調にあわせて栄養素を配合してくれる健康ドリンクバーなどが「無料」で体験できるエリア(※一般の方も利用可能)に、グラングリーン大阪南館で働く人がランチタイムに社員食堂のように利用できるダイニングでは、日常で不足しがちな栄養素に特化したメニューも用意されています。
ちなみにこちらのダイニング。夜にはイタリアンやフレンチを中心にしたメニューに変わり、誰でも利用できるということです。
都心の真ん中にある「緑」が価値を生む!?
こうした魅力に加え多くの企業がグラングリーン大阪を選んだ理由が実はもうひとつ!それが…
(コクヨ・新居臨さん)「都心の中に豊かな緑と働く環境。これ本当に魅力的だなと」
(クボタ・佐野順さん)「都市公園があれだけ広いので(緑の中での)リフレッシュは実は業務の効率にとって重要な要素」
都心の真ん中にある「緑の価値」です。
(山中アナ)「駅前開発としては芝生広場や森は『お金を生まないからもったい』との考え方もあると思うが?」
(神林祐一室長)「公園が中長期で不動産価値の向上につながると期待していました。ただ、今回うめきた公園ができて大阪の皆さんに使っていただくことで、マンションの販売やオフィスの営業がすごく順調に進捗。うめきた公園が不動産に与える影響は実はもう発現している。公園を中心とした『まちづくり』がこの場所から世界に発信できたらいいなと」
駅前の最新オフィスが大阪ひいては関西経済のけん引役となるのでしょうか?