前田智宏気象予報士によりますと、花粉の飛び始めは寒さの影響で2月の最終週の後半になりそうということですが、飛び始めると一気に大量に飛ぶとのことで注意が必要です。そんな中、パナソニックの調査によると花粉症による労働力低下の経済損失は1日あたり2320億円にも及ぶと試算がされています。今や“国民病”となっている花粉症が動かす最新対策グッズとお金について取材しました。
花粉症グッズ売り上げは 1.3倍 対策はできるだけ軽いうちに
大阪市内のドラッグストア「キリン堂」。2月10日、店の最も目につくスペースにはすでに多くの花粉症対策の商品が並んでいました。
(キリン堂田川店 真面綾店長)「(売れる時期が)早まってるという感じ。接客してても早い段階でむずむずして買いに来たという人が多い」
民間の気象会社によりますと、今シーズン近畿での花粉の飛散量は例年の2倍以上になるとの予想もある中、売り上げは伸びているといいます。
(真面綾店長)「去年に比べると鼻炎薬も(売り上げが)1.3倍で伸びている。花粉症グッズ全体で考えても 1.3倍くらい」
国内では4割近くの人がスギ花粉症ともいわれ悩む人は増加しています。専門家によると花粉の量が少ない“飛び始め”にドラッグストアなどにある一般の薬でもよいので早めに薬を服用することが有効だといいます。
(大阪はびきの医療センター・川島佳代子先生)「症状のピーク、すごくひどくなってから治療を始めてもいくつも薬が必要だったり、なかなか効かなかったりすることがある。できるだけ軽いうちから薬を飲むことですごく症状を抑えられる」
『目』を守るグッズに注目!花粉の時期だけでなくファッション性も
大手メガネメーカーが2010年から販売しているのは花粉をブロックできるメガネ。ポイントは着脱式のカバー、取り付けることで隙間をなくし、花粉の侵入を防ぎます。売上げは前の年の1.5倍に!さらに、今年誕生したのがこちら。
(Zoffあべのキューズモール店・坂本吏司店長)「今かなりサングラスの需要が多い。今までは花粉の時期だけかけてもらう商品だったが、いまは花粉だけではなくファッションを取り入れている」
春先には花粉対策としてそれ以外は日差し対策で人気のサングラスとして、オールシーズン使える2WAY仕様で、1月末から販売をはじめたところ売り上げは好調だといいます。
スギ・ヒノキが自生していない「避粉地」釧路
続いて、花粉から逃げるという「避粉旅行」という対策も!
そもそも花粉がない場所なんて、、、実はあるんです!その代表格が北海道・釧路市。夏場涼しい「避暑地」としては知られていますが、「避粉地」として注目される理由は…
(くしろ長期滞在ビジネス研究会事務局・坂本光さん)「スギ・ヒノキが自生していなくて、地元の人は『花粉症って何だろう』っていうくらいあまり花粉症になじみがないような方が多いです」
避暑地として賑わう夏に比べ、寒さの厳しい冬には、観光客数が約4割も減少してしまうことが悩みでした。この時期に観光客を呼び込もうとスギ・ヒノキ花粉がゼロという釧路周辺では、去年から「避粉旅行」を積極的にPRしています。
(坂本光さん)「毎年(スギ・ヒノキ花粉が)一番多いといったニュースを見る。ニュースが何か流れるたびに問い合わせが増えたりするので、どんどん『釧路避粉でいい街』というのが広まっていってほしい」
着けていると分からない!?アメリカ・韓国でも人気の「鼻マスク」
さらに、需要が伸びている付けていることが目立たないマスクって、一体どんなマスク?開発会社を訪ねて、四国・愛媛の松山市に向かいました。
バイオインターナショナルの東原松秀社長によると最新の『ノーズマスクピットセブン』は柔らかくて鼻に挿入するタイプのマスクだといいます。
(山中アナ)「これ、マスク?どう使うんですか?」
(東原松秀社長)「気づいてませんか。私ずっと入れてるのを」
(山中アナ)「もう使ってるんですか!あ!はいってる!マスクが!もう装着済み!」
こちらが鼻の穴に直接入れて花粉の侵入を防ぐという「鼻マスク」。確かに見た目にはほとんど分かりません。
(東原松秀社長)「(Q、今年の売れ行きは?)ざっと去年の1.5~2倍。それを上回るくらい」
気になるのは、その付け心地。鼻に直接触れる部分は医療用チューブにも使われる柔らかいゴムを使用していて痛くもなく、時間とともに慣れていきました。装着してもニオイも味もしっかり分かります。外すときには、鼻にかかるフレーム部分を引っ張るだけ。この目立たないマスク、小さな中に様々な工夫が!
(東原松秀社長)「2001年から開発に着手したんですが、今までの試作品。(Q、どのくらいの試作を重ねた?)試作だけでいえば50は超えてます」
製品としては7代目になるそうですが、こだわったのが鼻に触れる部分です。フィルターが鼻の粘膜に直接あたって刺激をあたえないようそして、どんな人の鼻の穴にもフィットするように、収縮可能な独自の「クラゲ型」ゴムカバーを考案したといいます。
そして、3層フィルターが外からの花粉やウイルスなどを99%シャットアウト、中からの鼻水まで吸収してくれるといいます。さらに水洗いで最大10回繰り返し使うことも。社長によると、“世界初”の画期的なマスクだといいます。
去年は約50万パックを販売。1個あたり約250円なので単純に計算しても約7億5千万円の売り上げです。
この目立たない鼻マスク。すでに海を越えアメリカや韓国などでも人気だということですが、今後さらに改良を重ね国内でも普及させたいということです。
(東原松秀社長)「進化し続けようと思っている。人間はやはり欲張りなので今はまだ言えない。企業秘密。85点までは来ています。8代目で(100点に)と考えている。あと1、2年お時間をもらえたら」