2023年12月に薬物問題で廃部が決定した日大アメフト部。元部員を山中真アナウンサーが直撃取材し、現在の状況や想いを聞きました。
日本大学のアメリカンフットボール部「日大フェニックス」の部員だった現在2年生の酒井佑昌さん(19)。関西出身で、アメフト部の寮で暮らしていましたが、問題発覚後に寮は閉鎖。今は東京都内でひとり暮らしをしています。
(酒井さん)「(薬物を)やっていると思っていなかったので、驚きもしたんですけど、それより怒りのほうが大きいです」
(山中アナ)「今アメフトはできていますか?」
(酒井さん)「今は基本的にはできないです」
(山中アナ)「できない期間がどれくらい続いていますか?」
(酒井さん)「7月からできなくなったので9か月です。今は問題が落ち着いたような感じになっていますが、そんなこともなくて、『どうなるんやろ』という不安な気持ちをみんながずっと持っていると思います」
薬物問題を受けて2023年12月に記者会見を開いた日大。林真理子理事長は「アメフト部を廃部にする方針が学内で示されている」と話しました。
(日本大学 林真理子理事長)「(Q林理事長としてはどのような意見?)申し訳ありませんが、まだ継続審議中ですので、私の考えはご容赦いただきたいと思います。私たちは学生の不利益になるようなことは本当にできるだけ避けたいと思って一生懸命考えています」
酒井さんたち現役部員は、署名や嘆願書などで部の存続を求めましたが、会見の11日後に理事会は正式に廃部を決定。83年の不死鳥の歴史に幕が下ろされました。
当初は同好会などの形で活動が続く可能性が示されたものの、その後、大学側から活動再開の連絡はありませんでした。
酒井さんは、双子の兄とともに、中学からアメフトを始めたといいます。双子の兄は現在も関西学院大学でアメフトを続けています。
(山中アナ)「日大フェニックスに入ったときの目標は?」
(酒井さん)「大学でしっかり日本一になって、双子の兄と(甲子園ボウルの)決勝で対戦できたらと思っていました」
(山中アナ)「その後、大学側からきちんとした説明はありましたか?」
(酒井さん)「自分たちから説明会をしてくださいと何度もお願いをしました。何度もお願いをして、やっと1回か数回。それ以外は何の連絡もなく、どうなっているかも知らされていないです」
4月19日、新年度を迎えて、ようやく大学側が説明会を開きました。出席した大学幹部は「再出発に向けたトレーニングをしっかり行っていこう」と呼びかけたものの、アメフト部自体をもう一度作れるかどうか、その目途は立っていないと話したといいます。
先が見えない毎日。酒井さんは自主トレーニングや資格試験の勉強をするなどして過ごしています。
(山中アナ)「今までの生活とガラッと変わりましたか?全然違いますか?」
(酒井さん)「全然違います」
(山中アナ)「今、大学側にはどんなことを言いたいですか?」
(酒井さん)「早く練習する場を作ってほしいと思います」
(山中アナ)「それは部にならなくても?」
(酒井さん)「部になってほしいです」
(山中アナ)「やはりもう一度、日大フェニックスの仲間とやりたいですか?」
(酒井さん)「はい。みんなでもう一回やりたいです。このまま落ちるのではなくて、“フェニックス”なので、復活したいです」