4月16日(火)午後から18日(木)にかけて、西日本から北日本の広範囲に黄砂の飛来が予想されています。全国の広い範囲に黄砂がやってくるのはこの春2度目で、気象庁も影響に注意を呼び掛けています。
すでに朝鮮半島で実際に黄砂が観測され、気象庁も「黄砂に関する気象情報」を発表しています。西日本の早い所では16日(火)午後から、また、東日本や北日本を含めた広い範囲でも17日(水)から18日(木)にかけて影響を受ける見込みです。
広い範囲で視程(見通し距離)が10km未満となり、所によっては視程が5km未満となるでしょう。晴れてもすっきりとした青空ではなく、かすんだ空になりそうです。屋外では所により洗濯物や車などに黄砂が付着するといった影響が予想されます。また、視程が5km未満となった場合には、飛行機の離着陸などに影響し、交通への障害が発生するおそれがありますので注意してください。
春は黄砂の季節 大陸の砂漠地帯から舞い上がって飛来
上記のグラフは、月別黄砂観測日数平年値(1991年~2020年 黄砂の観測実施11地点の平均日数 ※気象庁ホームぺージより)です。
春は黄砂の季節で、ピークはまさに今、4月です。これは、黄砂の飛んでくる元である、大陸のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などで雪解けが進み、地表面が乾燥して砂が舞い上がりやすくなるためです。砂を舞い上がらせる低気圧が発生しやすいことや、春はまだ地面を覆う植物が茂っていないことも影響します。さらに、舞い上がった砂を運ぶ偏西風がちょうど日本の上空を通る時季であるため、たびたび日本にやって来るようになるのです。
健康にも影響のおそれ 目を「こする」はダメ!
黄砂が飛来するとアレルギー症状が悪化するおそれや、呼吸器や循環器の疾患に悪影響を及ぼすおそれがあると言われています。健康への影響が気になる方は特に、屋外ではマスクを着用したり、なるべく外出を避けたりといった対策をしたほうがよいでしょう。帰宅したら早めにうがいや洗顔などを行うのも効果的です。また、窓の開閉や換気は必要最低限にして、部屋の中に入れないように気をつけましょう。
屋外に出した洗濯物や車などが汚れてしまうことがあります。取り込むときにはしっかりとはたいてからにした方がよさそうです。また、あらかじめ部屋干しにしておくのも手です。
こちらは、濃い黄砂が飛来したときに撮影した車のボディーの写真です。たくさんの砂が付着してしまっていることがわかります。きれいにするために、濡れた布などで拭くのはNG!黄砂には鉱物が含まれていますので、拭き取るときにボディーに傷をつけてしまうおそれがあるのです。高圧洗浄など、たっぷりの水で砂を流し落として洗うようにしましょう。また、同様に、黄砂がついた状態で目をこすってしまうと眼球を傷つけてしまうおそれもありますから、小さいお子さんらの行動には気をつけてあげるようにしてください。
(気象予報士・前田智宏)