新生活を始めた方が迷うかもしれない『ゴミの捨て方』について教えてくれるSNSアカウントが話題になっています。
ためになる『ゴミの捨て方』投稿でフォロワー約27.3万人
使わなくなったモバイルバッテリーを分別せずにゴミに出してしまうと…収集車の中で煙を噴き、爆発してしまいました。大事故にもつながりかねないゴミの爆発や発火。
環境省によりますと、モバイルバッテリーや電子たばこなどの捨て方を間違ったことで起きたとみられる火災などの件数は、2020年度で年間1万2765件となっていて大きな問題となっています。
そんな現状に警鐘を鳴らす人がいます。
(Xの投稿)『電子タバコはリチウムイオン電池が内蔵されており、指示に従って捨てないと火事になります!』
(Xの投稿)『よくダンボールに混じってピザの箱が出されています。ピザの箱は油が付いているので再生できません』
Xのフォロワー数が約27.3万人。『推し活はごみ分別』というゴミ清掃員の滝沢秀一さん、47歳。
(ゴミ清掃員 滝沢秀一さん)「何が一番衝撃的だったかといったらゴミ清掃員になって一番は量にびっくりしたんですね。ゴミの量。町のゴミを集めるとこんなに出るのかって。もうこれだったら日本はゴミで埋まっちゃうだろうと思って」
11年前にこの世界に飛び込み、日本一のゴミ清掃員になる!と豪語する滝沢さん。
別の顔を知る人に聞いてみました。
実は“本職”はお笑いコンビ『マシンガンズ』の滝沢秀一さん。相方の西堀亮さんとコンビを組んで今年で27年目。去年、芸歴16年以上のコンビが出場する漫才賞レースで準優勝して以来、注目度は急上昇しています。
(滝沢さん)「(Qお仕事の調子はいかがですか?)26年くらいの芸歴で、25年間はほとんど仕事がなかったんで、もう夢みたいな1年でしたね」
(西堀さん)「滝沢くんほど僕の方がハードではないかもしれないです。スケジュール的には。だから滝沢がゴミの講演に行っているときは、大体飲みに行っていますね」
滝沢さんがゴミ清掃員になったワケ
滝沢さんがゴミ清掃員の仕事を始めたのは11年前。ひどいときは1か月の手取りが315円という夫を、家計の面でも支えてきた妻が妊娠して、滝沢さんは芸人以外の仕事を探すことになりました。
しかし、当時36歳。なかなか職が見つからず、友達の紹介でようやく採用されたのがゴミ清掃員の仕事でした。
(滝沢さん)「最初は嫌がってやっていましたけど。本当はお笑いでやっていきたいのに、みたいなことがあったんですけども。じゃあもう『どうしよう売れないな』と思いながらゴミ清掃をやるのもつらいから、じゃあもうどうせやるんだったら『日本一のゴミ清掃員』になろうかなと思って」
賞レースで注目を浴びて忙しくなった今も週1回は清掃員の仕事を続けています。
(滝沢さん)「夏なんか熱中症になりそうな中、走って行って回収していって、分別してない、何でだよって腹を立てるのは『日本一の清掃員』じゃないなと僕は思ったので。それだったら知ってもらうことが大事だなと思って、それでSNSで発信するようになったんですね」
環境省の啓発動画にも起用され活躍の場を広げる滝沢さん。インタビューでも…。
(滝沢さん)「分別すればだいぶゴミが減りますので、ぜひやっていただきたいなと思います。こういう状態になるとやっぱりね、もう西堀くんは『コイツ何を言ってるんだ』っていう」
(西堀さん)「感心してます。漫才はかむんですけど、ゴミの話はかみませんよね」
ゴミのことを知ってもらおうと啓蒙活動に力を入れる滝沢さん
2018年からは仕事の合間に子どもたち向けに『ゴミを知る講座』を開催しています。
(滝沢さん)「実はですね、包丁の出し方なんか、こういう不燃ゴミなんかをこうやって持ち上げた瞬間に僕にポトンと何かが落ちてきて、見てみたら包丁が落ちてきたことがあったんですね。危ないのよ。持ち手の方が落ちてきたからいいけど逆だったら貫通してたわ、みたいなことがあったりするんですよね」
参加は抽選というほど人気なんだとか。
(子ども)「おもしろかった」
(子ども)「おもしろかった」
(子ども)「また来たいなぁ」
(滝沢さん)「来る?じゃあ約束!じゃあまた来てね」
(子ども)「抽選が当たれば」
(滝沢さん)「抽選が当たれば…現実的だねぇ」
滝沢さんの活躍について家族の反応は?
芸人として苦労した姿を近くで見てきた家族は、今の滝沢さんをどう思っているのでしょうか?
(記者)「漫才とゴミ分別、どっちもできるお父さんのことをどう思いますか?」
(長男 たけしくん・小6)「すげぇ!と思う。(ゴミについて)すげぇ知ってる」
(滝沢さん)「そうだよな。すげぇ知ってるんだよ俺、すげぇ知ってるんだよゴミのことを」
(長女 ゆづむちゃん・小2)「自分がパパに聞いたら、これは何ゴミだよって教えてくれる」
(妻 友紀さん)「元々やっていなかった仕事だし、体力的にもきつい仕事なので。でもそれを腐ってしまわずに一歩進んで、今度はそれを皆さんに知ってもらおうと活動を始めたのは、本当にすごいなと思いました」
家族に背中を押され、SNSを見た人からの『勉強になります!』『知りませんでした!』の声に励まされながら、滝沢さんの“ゴミへの愛”はとどまることを知りません。
(滝沢さん)「本当にゴミのことが好きなんですよ。ゴミ清掃が僕の人生を支えてくれたところもあったりするので。やめないです。僕はたぶんずっと続けていくでしょうね」