中国の人たちの春節休み、今年は2月10日(土)から2月17日(土)までの8連休でした。この連休を利用して日本にやってくる中国人観光客が大勢いました。関西に来た人たちはどんな楽しみ方をしていたのでしょうか?

目的は「温泉」「おいしいもの」…“爆買い”イメージの中国人観光客に変化

 2月10日の関西空港。中国など中華圏における旧暦の正月「春節」の初日です。空港には、縁起が良いとされる赤い服や赤いマスクを身に着ける人の姿も。

 (武漢から来た人)「明けましておめでとうございます。大阪市内を観光して夜はカニ鍋を食べようと思います」
 (シンガポールから来た人)「家族全員で日本を1週間観光して、春節休みが終わったら帰国します」
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 春節といえば、コロナ前は中国などからの旅行者が買って買って買いまくる、いわゆる爆買いが話題に。化粧品や電化製品などが飛ぶように売れました。ところがいまは変化。爆買いなどの「モノ消費」より、日本ならではの体験や観光を重視する「コト消費」の傾向が強まっているようです。

 (台湾から来た人)「きょうはカニ料理が食べたいです。心斎橋のカニ料理を知っているので」
 (上海から来た人)「大阪・名古屋が2日間ずつ、そのあとは高山と白川郷で温泉に行きたいです」
 (上海から来た人)「日本のおいしいものと景色を体験したい」
 (上海から来た人)「京都・奈良・北海道の小樽に行く。北海道のスキーは有名ですね」
 (上海から来た人)「ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで遊びたい。マリオランドに行きたい」

「コロナ禍で帰省できなかった日本留学中の娘に会いに」

 中国・青島から来た劉譚瑛さん・連海さん夫婦に話を聞きました。

 (妻 譚瑛さん)「(Q日本は初めて?)そうです、初めてです。奈良と京都を観光します。時間があれば富士山にも行きます」

 実は今回、もう一つ大切な目的があるそうです。

 (夫 連海さん)「娘が日本に留学しています。なので娘のために日本に来ました」
 (妻 譚瑛さん)「コロナで娘が3年間も帰れなかったので、今回旅行をかねて娘に会いに来ました」

 コロナ禍で帰省できなかった大学生の娘に会うために来日していました。3年ぶりの再会を楽しんでくださいね。

台湾から家族や友人6人で来日 お目当ては?

 続いて出会ったのは台湾・彰化市から来たというシー・メイリンさん(23)。
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 兄2人・父・兄の恋人・友人の6人で日本にやってきました。

 (シー・メイリンさん)「大阪の心斎橋に行きます。電車に乗って行きますよ」

 旅行前から欲しかったという靴を求めて心斎橋に向かうそうで、そこに同行させてもらいました。
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 日本好きでメイリンさんは2回目、兄の仲翰さんは3回目の来日です。前回、大阪に来たのは4年前の2020年1月で、コロナが流行りだした時期でした。

 (メイリンさん)「いまは人がとても多いです。コロナのときは人は少なかった。今は店も全部開いています」
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 でもお目当ての靴は心斎橋では見つからず梅田に移動。結局、狙っていた靴はサイズがありませんでしたが、ほかに気に入った1足を買うことができました。

 (メイリンさん)「辰年の限定商品です。今年の商品です。買えてうれしいです」

日本留学中の娘のガイドで京都観光

 翌日。関空で出会ったもうひと家族に会うため取材班は古都・京都にやってきました。3年ぶりに娘に会うため来日した劉さん夫婦です。
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 (娘 陽さん)「とてもお父さんとお母さんに会いたくて、一緒に春節を過ごすことができてうれしいです」

 娘の陽さんと過ごすのは約3年ぶり。両親を連れて来たかったというお稲荷さんの総本宮「伏見稲荷大社」にやってきました。早速、寄り道して抹茶ソフトクリームを食べます。

 (娘 陽さん)「このソフトクリーム逆さまにしても落ちないよ」
 (母 譚瑛さん)「本当に大丈夫…?」

 初来日の劉さん夫婦にとっては見るものすべてが新鮮です。と、ここでお父さん、何かが気になったようです。

 (父 連海さん)「あれは何て書いてあるの?」
 (娘 陽さん)「『吉日』はお願い事をしたら、願いが叶いやすい日と言われているの」
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 陽さんは大学で経営学を学び、将来は日本で観光の仕事に携わるのが夢だそうで、この日も習得した知識を生かして両親を案内します。

 (娘 陽さん)「ちょうど新年なので、おみくじ引いてみて」

 おみくじを体験してもらいます。結果はお母さんが末大吉、お父さんが末吉でした。
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 (母 譚瑛さん)「これはどういう意味?」
 (娘 陽さん)「ちょっと凶のところもあり…2人とも同じだよ」

 娘のガイドに劉さん夫婦も満足な様子。
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 その後は最大の見どころとも言われる千本鳥居に。

 (娘 陽さん)「見て!誰が奉納して鳥居を建てたかが書いてあるよ」

 山頂まで約1万基あると言われている鳥居をくぐりながら、1時間ほど「お山めぐり」を楽しみました。
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 (母 譚瑛さん)「これぞ京都ですね。一人ひとりが奉納して貢献しているからこそ、こういう景色を見ることができたと感じました」

 (父 連海さん)「私がいろいろわからないことを聞いても丁寧に解説してくれて、楽しい旅行の思い出になりました」
 (娘 陽さん)「3年ぶりに両親と一緒に春節を過ごせたのでとてもうれしかったです」
 (母 譚瑛さん)「とても幸せです」

「時間が過ぎるのがとても早かった」日本を楽しんだ観光客たち

 2月13日、春節後半の関空。ロビーは日本の旅を楽しんだ旅行者で活気にあふれていました。そこには家族や友人と来ていた台湾のメイリンさんの姿もありました。足元には購入したあの靴も。
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 (メイリンさん)「とても履き心地がいいです。きのうUSJも行っていっぱい歩いたけど疲れなかった。(Q旅行はどうだった?)時間が過ぎるのがとても早かったです」
 (兄 仲翰さん)「4日間あったけど実際に観光できたのは2日間だけでした。次回はもっと長い時間を使って観光したいです」

 それぞれの日本の思い出とともに帰国の途につきます。