スーパーなどで買ってきた果物は、どうやって保存して食べていますか?なんでも冷蔵庫に入れて、食べるたびに出していませんか? 何気なく食べている果物ですが、その種類によって『冷やした方が甘くなるもの』と『そうでもない果物』に分かれていることを、ご存じでしょうか。

話題の投稿主「みかん専門店」に話を聞いた

 果物の甘さと温度の関係をつぶやいて、X(=旧Twitter)で12万いいね!がつくほど話題になった投稿があります。投稿によると、冷やした方が甘くなる代表選手は『ブドウ』や『リンゴ』。常温が良いのが『モモ』や『バナナ』だといいます。それっていったい何が違うのか、投稿主である愛媛県のみかん専門店「のま果樹園(@nomakajuen)」さんに、詳しく話を聞きました。

(のま果樹園さん)「果物は、含まれる糖の種類で、冷やすと甘くなるものと、そうでないものに分かれます。」。

  果物の甘みの正体である糖は、大きく分けて『果糖』と『ショ糖』の2種類あり、このうち果糖は、温度が低くなればなるほど甘みが増し、一方のショ糖は温度によって甘みが変化することはないということです。

 気温40℃前後の環境で、果糖とショ糖の甘みは同程度ですが、0℃前後になると、果糖が約1.5倍の甘みになるほど違いが出るというのです。したがって、果糖を多く含む果物は、冷やすほど甘く食べられるというわけです。

冷やすのがオススメは「ブドウ・リンゴ・キウイフルーツ…」

《画像:「のま果樹園」X投稿より》

 ではどんな果物が、どっちに属するのでしょうか。のま果樹園さんによりますと、『果糖チーム(果糖を多く含む)』は、ブドウ・リンゴ・ナシ・スイカ・サクランボ・キウイフルーツなどが代表的です。こちらは冷やして食べるほうが良さそうです。

 常温がオススメの『ショ糖チーム(ショ糖を多く含む)』は、みかん・モモ・バナナ・メロン・イチゴ・柿・パイナップルなどが代表的です。イチゴやメロンは冷やして食べるイメージもありますが、実は甘みを増す点に関しては意味がなかったということになりそうです。

 また一部のフルーツは、「追熟」することによって甘くなるものもあると言います。みかんやモモ、柿、メロンなどがその例で、常温で一定期間置くことで甘みが増すそうです。

果糖フルーツも『おすすめ温度は10℃前後』

 一方で…。果糖を多く含む果物も「冷やせば冷やすほどおいしくなる」というわけではないそうです。人間の舌は、温度が高い方が甘みを感じやすいという側面もあり、一番おいしく感じながら食べられる、『おすすめ温度は10℃前後』とのこと。果糖を多く含む果物を食べる際も、冷蔵庫保存で冷えすぎている場合は、少し室内に置いてから食べるのがおすすめだそうです。

 冷やすと甘くなる果物と、そうでもない果物、知っておくと便利な知識ではありますが、「果物には甘み以外に、清涼感を求める人もいるので、結局、好きなように食べるのが一番です。」と、のま果樹園さんは話しています。もうすぐ春になり多くのフルーツが旬を迎えていきます。『果糖とショ糖』、皆さんも果物を食べる時のヒントにしてみてはいかがでしょう。