兵庫県加古川市のJR加古川駅前に『ムクドリ』が大量襲来しています。これまでも全国各地で“ムクドリと人間の戦い”が繰り広げられてきましたが対策は難しいようです。
木にムクドリがびっしり…鳴き声は「騒音レベル」
10月24日に取材すると、兵庫県加古川市で空を黒く埋め尽くすムクドリの大群。
(商店街ベルデモール 貴傳名充理事長)「あれまだ第1波だと思います。第2波第3波とやってきますから。400~500匹はいると思いますよ、最終的にここに集まるのは」
第1波が飛んできてから10分後。
(記者リポート)「午後5時半です。集まってきたムクドリたちが一気に木に止まりました」
最大の波がきました。商店街にある木にはびっしりとムクドリが止まり、けたたましい鳴き声が響き渡ります。
(近くにいた人)「耳にツーンとくるぐらい、騒音レベルですね。いないほうがそりゃ快適ですよね」
道にもバイクにも…フン害に悩まされる住民たち
こうした騒音だけではなく…。
(近くにいた人)「フンが困りますよね。下が汚くて」
(近くにいた人)「フンとかもすごいですよね、歩道とか」
地面にはムクドリのフンがびっしりと落ちています。
(バイクを止めていた人)「(Qサドルのところが…)あら、あ~あ」
取材班のカメラにも5分ほどでフンがべっとり。商店街を通る人は木から離れて歩き、別の男性は一度自転車から降りたものの、ムクドリに気付き自転車を別の場所に止めました。
(ムクドリを避けて自転車を止めた人)「あっちは鳥のフンがすごそうやったんでやめようかなと思ってこっちの方に」
地元住民らによりますと、ムクドリは数年前からこの場所に現れるようになったそうですが、今年は特に数が多いといいます。
(商店街ベルデモール 貴傳名充理事長)「フンが落ちて道が汚くなってしまう。掃除しても掃除しても、毎晩毎晩こうしてやってきては、なかなか追いつかない」
天敵を放つ、拍子木を鳴らす…これまでも各地で『ムクドリと人間の戦い』
これまでも全国各地で繰り広げられてきたムクドリと人間との戦い。奈良市では過去に対策として天敵である『ハヤブサ』の模型を設置しましたがあまり効果がありませんでした。
模型がダメならと、大阪府堺市では2013年、天敵のタカを投入して徹底抗戦。驚いたムクドリは一気に舞い上がるなどしましたが効果は一時的でした。
他には、やけくその“キック”や…。
高知市ではムクドリの悲鳴を録音して流しましたが改善には至らず。
さらに去年、奈良市では拍子木を鳴らして追い払おうとしましたが…。
音に慣れてきたのかすぐに戻ってくるなど、人間とムクドリのにらみ合いが続いています。
市は伐採を提案したが…商店街側の思いは
加古川市でも、数年前から様々な場所でムクドリの群れが確認されていますが、今年は駅前にいつもより多くのムクドリが飛んできています。その理由について市は、去年伐採や剪定をした街路樹がたまたま商店街の近くに多く、それが理由で商店街にこれまでにない数が集まった可能性もあると話しています。市は対策のために木を切ることを商店街に提案したということですが、商店街側はこう話します。
(商店街ベルデモール 貴傳名充理事長)「昔は木も何もない商店街だったんですけど、木をいっぱい植えて緑あふれる加古川の街にしようっていうのがコンセプトになっていますので、緑を大事にしたいと思っております。木を切らずになんとかできないかというのを検討中です」