紅葉シーズンを前に、すでに多くの観光客でにぎわう京都。“混みすぎ”の観光地では困った問題も起きています。

大勢の観光客であふれかえる嵐山 踏切内で写真撮る危険行為も

 全国屈指の観光地である京都・嵐山。週末も多くの観光客で賑わいました。

 (ドイツから)「すっごくいい街ですよね。日本食も好きだし、日本の全部が好き。いい国です」
 (ロンドンから)「川沿いを行けば橋も美しいし、すごく気に入りました。とてもロマンチックです」

 新型コロナウイルスが5類に移行して以来、各地で本格的に観光客が戻りつつありますが、ここ嵐山でも困った問題が起きています。
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 (記者リポート)「大変多くの人たちが訪れています。歩道は人でいっぱいです」

 歩道におさまりきらず…

 (記者リポート)「一部の人は車道にもはみ出している状態になっています」

 渡月橋の周辺はかなりの混雑で、あわやの事故になりかねません。 
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 嵐山といえば、幻想的な散歩道「竹林の小径」も有名ですが、歩行者専用の場所にレンタカーが誤って入ってしまい立往生する事態も起きていました。さらに…
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 (記者リポート)「こちらはJRの踏切です。写真を撮るために線路の中に入っている人もいます。いま…踏切の警報音が鳴って、みなさん急いで外に出ています」

 バッチリポーズを決めて写真を撮っていますが、線路内への侵入は事故に繋がりかねない危険な行為。線路の脇にはイラスト付きで禁止を呼びかける看板が据えられていますが…

 (デンマークから)「(Qなぜあの場所で撮影?)とても美しい自然だし、いい思い出になると思って。(Q立ち入り禁止の場所だが?)知らなかった。サインを後で見たが理解できなかった」
 (韓国から)「(踏切の)ライトがついていない時は写真を撮っても良いと思っていた」

大混雑のJR嵯峨野線…西脇知事がJR西日本に要望書を提出

 嵐山の観光客の増加をめぐっては、以前、MBSではこんな問題も取り上げていました。それは『JR嵯峨野線が混みすぎている問題』。車内はラッシュ時並みの混雑で、身動きが取れない状況です。

 (地元の利用者 今年7月)「人が多すぎて混みすぎる。困りますよね。我々の生活のリズムが崩れますし」

 さらに、嵐山から京都駅に電車が着くとホームは人であふれかえり、まさに大移動。いざ乗ろうと思ってもベビーカーを押した女性が乗車できないなど実害も起きています。
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 JR西日本はコロナ禍で嵯峨野線のダイヤを1時間あたり5本から4本に減便。観光客が回復した今も減った状態が続いていて、臨時の増便などで対応しているものの、混雑緩和とはいっていないのです。
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 こうした状況を受けて10月16日、京都府の西脇隆俊知事が動きました。JR西日本に対して、ダイヤの見直しや混雑緩和を求める要望書を提出したのです。

 (京都府 西脇隆俊知事)「コロナ禍だということでダイヤ改正されてきた経緯があるので、そろそろコロナの影響を脱しつつあり落ち着きを取り戻しつつある中では、できる限りもとの状況に近づけてほしい」

 JR西日本は「利用状況を見ながら対応する」としています。

大行列のタクシー乗り場…混雑緩和を目指す!最大9人まで同乗できる「乗合タクシー」

 一方、観光客の増加が目立つのは京都駅も同じ。清水寺へと向かう市バス乗り場には行列ができていました。さらに…

 (記者リポート)「京都駅前のタクシー乗り場は非常に多くの人で行列ができています」

 乗車までに10分以上待たなければならないことも珍しくありません。
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 そこでタクシー協会が始めた新たな取り組みが、最大9人まで同乗できる「乗合タクシー」。コロナ禍で乗務員の離職が進み深刻なタクシー不足が起きていることを受け、9月末から府内のタクシー会社9社が合同で実証運行しています。

 (乗合タクシーを利用した観光客)「スムーズに行けるほうが良いかなと思ってこちらを選びました。これがうまく成功するといいですよね」

 京都駅烏丸口から金閣寺まで大人2000円・子ども1000円。通常3500円ほどかかるので、1人の利用なら割安です。
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 (京都府タクシー協会 足立高広専務理事)「この長蛇の列を見て、我々業界としても何かをしないといけない。そこに乗り合わせていくと少しでも列が短くなるのかなと。そこの思いだけなんですよ」

 乗合タクシーは、10月は土・日・祝日に1日10便。紅葉シーズンは毎日運行予定だということで、屈指の観光都市である京都では受け入れに向けた取り組みも進んでいます。