大阪にある黒門市場には多くの外国人観光客が訪れて賑わいを見せています。しかし、「インバウンド客だけ」をターゲットにした店が増えていて、地元の客が遠のいていると悩む人もいるのです。

 アフターコロナで回復する外国人観光客。政府観光局によりますと、祭やイベントが多い7月が1年を通じて1番訪日客が多いというデータもあります。そんな中、大阪では…。

 (MBS 清水麻椰アナウンサー)
 「大阪の台所・黒門市場にやってきました。平日のお昼間なのですがかなりにぎわっています。なかなか前に進めないほどごった返しています」

 7月11日正午ごろの黒門市場。外国人観光客で賑わい、コロナ前の活気を取り戻していました。最近ではイートインスペースを作るお店も多く、ゴミが路上に散乱しないように対策が進んでいます。一方で…。
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 (MBS 清水麻椰アナウンサー)
 「エビは1尾2800円。この焼きエビも2160円。外国人観光客は値段が高くても買うんですかね」

 目立つのは明らかに外国人観光客をターゲットにしたとみられる店舗です。

 (黒門市場にある店)
 「仕入れ値も高いし皆さんそんなにもうけはないんじゃないですかね。元々仕入れ値が高くなっていると思います。物価も上がっていますし」

 実はコロナ禍の3年間で老舗店を含む30軒近くが店を畳みました。その空き店舗に今、外部からの新規出店が相次いでいるのです。
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 (黒門市場商店街振興組合 北岡裕一さん)
 「そういったお店は組合にも入っていませんしね。我々も実態がわからないんです」

 黒門市場商店街の北岡裕一さんは、こうしたお店によって品ぞろえや値段設定に偏りが出て、地元の人に気軽に使ってもらえない商店街になるのではないかと頭を抱えています。

 (黒門市場商店街振興組合 北岡裕一さん)
 「インバウンドのお客さんにだけの商品を販売していると日本人の客は要らないんですよ。近隣のお客さんは買い物できないです。例えば牛肉を刺して焼いている、カニやエビを焼いて出している、それは普段の近隣のお客さんは買わないですよね」
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 創業50年の惣菜店「石橋食品」の石橋大輔さんは次のように話します。

 (石橋食品 石橋大輔さん)
 「日本人は少なくなっているのは確かですけど。いつも来てくれている人の足が遠のいているなというのはわかるんでね。来てくれないことには話が始まらないんでね。買う買わない以前の来る来ないの問題になってきているので、そこが難しいところですよね」

 危機感を募らせる黒門市場の昔ながらの店の人たち。今後も外国人観光客だけでなく地元の人も利用してもらえる商店街を目指したいといいます。

 (黒門市場商店街振興組合 北岡裕一さん)
 「これだけたくさんの外国人の方がいっぺんに来られると、やっぱりどうしてもそっちを向いて商売したくなるのは商売人の思いやと思いますけど。黒門市場全体としてはね、青果店があり鮮魚店があり精肉店があり…昔ながらの市場であってほしいなと」