開発が進む「代替食品」。そんな中、ローソンが『代替卵』を使った商品を発表しました。

代替卵のサンドイッチ!?そのお味は…

 価格の高騰が続いていた卵。Mサイズ・1kgあたりの価格が、最も高かった時期に比べて5円安くなるなど3か月ぶりに値下がりしました。供給量が元に戻るのは早くても1年後になる見通しで、価格はしばらく高止まりとなりそうです。

 そんな中、コンビニのローソンが6月30日に発表したのが、植物由来の代替卵を使ったサンドイッチ。豆乳加工品をベースにポテトやタマネギなどと合わせた新商品です。供給不足による卵の価格高騰が続く中、本物の卵と遜色のない代替卵のおいしさを知ってもらおうと、あえて2つのサンドイッチ(鶏卵を使用/豆乳加工品ベースからできた卵の代替食品を使用)をセットにして食べ比べスタイルで販売します。※関東甲信越エリアのローソン限定で7月4日から販売

 さっそく記者が食べてみると…。

 (記者リポート)
 「卵の味がしますね。甘みが普通の卵より強い気がします。おいしいです」

 (ローソン・商品本部 清瀬智加さん)
 「プラントベース(代替品など)の市場は伸びているものの、なかなかおいしさというところとまだマッチしていない。代替卵がこういった味なんだというのをまず少しでも興味を持って試してもらえるようにと、『食べ比べ』という形で今回開発しております」

高級食材も“代替”で「いろんな機会で食べられるようになれば」

 代替食品は他にも様々なところで開発されています。コース料理のような豪華な一皿。存在感を放っているのは、世界三大珍味の1つ「フォアグラ」…ではなく代替食品の「グラフォア」です。

 開発したのは大阪に本社を置く「日本ハム」。余りがちな鶏のレバーを使って、フォアグラのような食感と深い味わいを再現しました。

 (日本ハム・新規事業推進部 望月太郎さん)
 「しっかり形は残っていてこんがり焼けているけれど口どけはいいという、この絶妙なバランスが一番苦労しました」

 フォアグラは鴨やガチョウに大量の餌を与えることによってできる肝脂肪で高価な食材なのですが、鶏のレバーに豚などの脂身を混ぜるなどして本物そっくりの味を再現。値段も3分の1ほどになったといいます。

 (日本ハム・新規事業推進部 望月太郎さん)
 「生産を禁止する国が増えたり、調達が難しくなったりしているというところが大きくあります。グラフォア(代替品)がいろんな機会で召し上がっていただけるようになったらいいなと思っています」

精進料理でマグロの刺身!?実は“あの食品”

 フォアグラだけではありません。和歌山県の高野山にある「西禅院」で、宿坊の宿泊者に提供されている精進料理。ずらりと並ぶ品々のうち、「刺身」は代替食品だといいます。

 肉や魚を使わない精進料理。“刺身”の原料はというと…。

 (調理する人)
 「刺身コンニャクです。これはマグロ(の代替食品)」

 主成分はコンニャク粉で、マグロの白いスジまで忠実に再現されています。開発したのは水産物を販売する三重県のメーカー。「まるで魚」シリーズとしてマグロやイカなどが販売されています。

 この寺では約500人に提供されたといいますが、お味はどうなんでしょうか?

 (宿泊客)
 「よく見たらマグロではないんですけど、でも…おいしい。マグロ」
 「ん?コンニャクです。食感はお刺身ですね」

 外国人の旅行者からも大好評だそうです。

 (西禅院 後藤慈延住職)
 「最近は外国人の方でもベジタリアンの方が非常に多いので、精進料理だけではなく高野山のことも知っていただくきっかけになったらいいなと思っています」