京都の車は横断歩道で止まらない!?警察が対策として打ち出したのは「はんなり運転」です。

 【ドライブレコーダーの映像】
 京都市山科区の路上。前を走行するワゴン車が道路の中央部にそれ、横断歩道上で止まります。道路脇には歩行者らの姿がありました。歩行者らはワゴン車が行き過ぎるのを待って、横断歩道をわたります。

 横断歩道は歩行者優先。渡ろうとしている人がいれば停止しなければならず、停止しなければ「横断歩行者等妨害等違反」となり、違反点数2点・反則金9000円(普通車)となります。

 京都ではいま、こうした「横断歩道での車の運転」が問題となっています。
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 (記者リポート)
 「去年、信号機のない横断歩道での車の停止率が京都府は全国45位で、京都市伏見区の交差点では複数の事故が発生しました」

 去年、JAFが調査した『信号機のない横断歩道での車の停止率』。京都府は23.5%と、全国平均39.8%を大きく下回り、都道府県でワースト3と不名誉な結果になりました。京都府警はこの結果について、細い路地が多いという道路事情はあるものの明確な理由は分からないとしていますが、実際、京都府内では去年、信号機のない横断歩道での事故が62件起きています。
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 取材班が5月17日、京都市内の信号のない横断歩道に行ってみると…。

 (記者リポート)
 「いま歩行者が横断歩道を渡ろうとしていますが、1台2台…車が通り過ぎていきました」

 ルールを守る車がある一方、歩行者がいてもおかまいなしで停止しない車も。

 (記者リポート)
 「車が目の前を通り過ぎていきますね。左右両方から車が何台も通り過ぎて歩行者が渡れない状態が続いています。…いまようやく渡れたようです」

 歩行者は車が止まってくれるか確認し、足早に横断歩道を渡ります。

 (歩行者)
 「(Q車は止まる?)無理ですね。もう続くときはずーっと待っています」
 「あんまり(止まらない)。止まってくれる率は半々くらい」

 その後も取材を続けた結果…。

 (記者リポート)
 「こちらの横断歩道で1時間調査をしたところ、71台の車が一時停止をしていませんでした」
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 こうした中、京都府警も対策に乗りだしています。京都市内の教習所で行われた安全講習会。対策のキャッチフレーズは…。

 (京都府警右京署 石田伸一郎交通課長)
 「『はんなり運転』という名称で広く啓発を図っているところでございます。安全運転を意識していただきたい」
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 「はんなり運転」とは、その名の通り上品に落ち着いて歩行者を優先する運転のことで、横断歩道の手前ではまず減速し、落ち着いて歩行者の有無を確認するなどを呼びかけています。京都らしさを押し出して京都人の交通マナーの改善を図る作戦です。受講者の反応は?

 (受講者)
 「どうしても焦ってしまうこともあるので、そういう時に『はんなり運転』という言葉を思い出して、ちょっと落ち着いてできることがあるのかな」

 「はんなり運転」で汚名返上となるでしょうか。