最大9連休のゴールデンウィーク。休日を楽しむ人たちはどこへ向かうのか。全国各地から人々が集う滋賀県のサービスエリアの1日に密着してみると、車の数だけ様々な物語が見えてきました。
大型連休初日のSA…「休日を満喫する人」「仕事を頑張る人」
4月29日(土)、高速道路は行楽地へ向かう車の列ができていました。ドライブの休憩はもちろん、ご当地土産やグルメも楽しむことができる名神高速道路「大津サービスエリア」を定点観測です。
午前11時、琵琶湖に臨むサービスエリア。この時間、愛犬を連れる人の姿が多く見られました。
(家族連れ)
「奈良のほうから来ました。家族でみんなで。ワンちゃんと泊まれる大津のホテルにきのう泊まって。ドッグランでめっちゃ遊んで、いい思い出になりました」
ゴールデンウィークを満喫する人がいる中、ワイシャツ姿で食事をする男性がいました。
(ワイシャツ姿の男性)
「(Qゴールデンウィークは仕事?)そうですね、休みなくて。(Q何の仕事を?)営業です。お客さん仕事なんで、お客さんが空いている日に行かないとダメなので。でも、それでもぜんぜんいいですけどね。ゴールデンウィークの後に休みをくれるので。やっぱり混んでいない時に休みをくれるので僕はそっちのほうが好きですね」
「○○があるとき!」でおなじみ…食べると笑顔になる“大阪名物土産”
午後0時30分、お昼過ぎ。あの“大阪名物”を手にする2人組を発見。
(記者)「めちゃくちゃおいしそうに食べていますね」
(夫)「おいしいです」
(妻)「これが目当てで大津サービスエリアに寄りました」
夫婦のお目当ては「551蓬莱の豚まん」。神戸から山形へスノーボードに行く前に豚まんで腹ごしらえです。
(記者)「今シーズンは何回くらい行かれたんですか?」
(夫)「30~40回くらいかな。関西のゲレンデが開いている時はずっと関西で、関西が終わってから北に上がっていく」
(妻)「2人ともどっぷりスノーボードしています」
サービスエリアで食べられる551蓬莱の豚まん。取材班も気になったので売り場へ行ってみると…、豚まんを買い求める大行列ができていました。この日は列の先頭まで30分以上待つ時間もあったそうです。
(551HORAI・大津SA店 伊藤諒子さん)
「551は関西にしかお店がないので、東京にお土産に持って帰られる方が多いですね。(Q1日何個売れる?)温かいほう(蒸した豚まん)できょうは2300個くらい作ります」
551蓬莱がサービスエリアに店舗を構えるのは全国でここだけ。さらに新大阪駅や伊丹空港など限られた店舗のみで扱うチルド(冷凍)の豚まんも販売されているのが人気のワケなんだそうです。
大阪の枚方から来たという家族は…。
(チルドの豚まんを8個購入した家族)
「妻の実家の熊本に帰るのにお土産で。チルドの豚まん・シュウマイを買うにはここしか近所はないから。ここまでわざわざ買いに来て、あしたはこれを持って熊本に帰るっていう」
「(Q熊本のご両親は喜ぶ?)そうですね、いつも喜んで」
キャンピングカーで気の向くままに…仲良し夫婦の旅路に同行
午後2時、駐車場にマイクロバスのような大きな車が…。カメラに気が付いてくれたのか、出てきてくれました。
(記者)「こんにちは。どこから来られたんですか?」
(妻)「九州です」
(記者)「おじゃましていいですか?」
(妻)「どうぞ。こんな感じですけどいいですか?どうぞ座ってください」
前日の夜に福岡を出発した堀江さん夫婦。キャンピングカーで旅行中でした。車内には4人掛けのテーブルや、簡単な調理もできるキッチンがあり、後方にはダブルベッドより広い就寝スペースもあります。
(堀江彦四郎さん(70))
「目的地ははっきり決めていないけど、青森県の十和田湖から奥入瀬のほうにまわっていこうかなと。(Q風任せですか?)そうです、まったく予定なしで。車でいろんな所を見てまわるのが好きなんですよね。快適に過ごすならキャンピングカーがいいかなということで」
鉄工所を経営する彦四郎さんと妻の朱美さん。彦四郎さんは平日は仕事のため、この休みを利用して旅に出ました。これまでも週末や連休はキャンピングカーで全国をまわり、正月には毎年、富士山を見に行くそうです。細かなスケジュールは立てず気の向くままに進むのが旅の醍醐味だと話します。
(朱美さん)「温泉どこか探そう。温泉どこ行けるやろか」
(彦四郎さん)「温泉探すのはあなたの仕事」
(朱美さん)「目的地はだいたい奥入瀬と言いよるけど、たぶん途中で右に行ったり左に行ったり、そこがよかったらそこでもう1日延ばしたり」
(記者)「お元気ですよね?」
(朱美さん)「元気でいないと旅ができないと思っているから元気が反対に出る」
(記者)「いつも話しながら向かわれるんですか?」
(朱美さん)「ずっとしゃべっています」
(記者)「どんな話が多いんですか?」
(朱美さん)「何でも。行き先のことも、食べ物のことも、ずっとしゃべりよるよね。静かになっている時は私が寝ている時だけね」
夫婦を乗せたキャンピングカーは青森に向けて順調に走ります。そして、福岡の自宅から約1700km。5月1日、目的地の十和田湖や奥入瀬に到着。大自然を楽しんだ後は、さらに足をのばして本州最北端の地・大間へ。マグロ丼をテイクアウトしてキャンピングカーでいただいたとのことです。
旅の途中、堀江さん夫婦からビデオレターが届きました。
【届いたビデオレター】
(朱美さん)「お昼ごはんを大間崎でマグロを食べました」
(彦四郎さん)「おいしかったです」
(朱美さん)「また行きたいです。これからも2人で仲良く旅を続けたいと思います。ありがとうございます」
夕方になっても551には大行列…SAスタッフは大忙し!
午後5時、再び大津サービスエリアへ戻ってきた取材班。ポツポツと雨が降り出しました。それでも、豚まんを買い求める行列は昼よりも延びていました。
売店には旅の記念にと土産ものを選ぶ人がいる一方で、商品の補充をするスタッフは大忙しです。
(商品を補充するスタッフ)
「何回も倉庫と売り場とを行ったり来たりしていますね。重たいものを持つので汗だくになりながらみんな仕事していますね」
愛する娘のために…運転を頑張るお父さんたち
午後9時30分、サービスエリアの利用者が少なくなってきました。この時間、横並びで食事をするのは東京から来た4人家族。
(4人家族の娘)
「きのうの夜9時くらいに出発して、USJに朝4時から5時くらいに着いて、ゴールデンウィーク初日だけどたくさん乗り物に乗れて大満足で。(Qお父さんの運転で?)はい、ぜんぜん寝ていないらしいので。だからこれから温泉に入ってゆっくり休むっていう」
強行スケジュールも娘さんのために…。ただ、このあと温泉のあるサービスエリアへ立ち寄るつもりが行けず、それでもお父さんは頑張りました。翌朝、無事東京に着いたそうです。
午後10時30分、雨が強くなってきました。そんな中、犬を連れて歩く人がいました。
(犬を連れて歩いていた夫婦)
「福岡、北九州からです。東京に今年から娘が関東の大学に行っていて、ちょっと会いに、というか」
サービスエリアで食事をとり、これから仮眠をとるところでした。
(犬を連れて歩いていた夫婦)
「(Qワンちゃんの名前は?)『こすけ』といいます。(Q何時ごろに出発予定?)休んで朝方、明るくなってくればというか、ちょっとでも早く着きたい気持ちもあるので目が覚めてパチッとすれば」
24時間、目的地へ向かう人たちが行き交うサービスエリア。車の数だけ物語が生まれます。