ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年が過ぎました。年次教書演説で「戦いを始めたのはロシア側ではない」と主張したプーチン大統領について、大阪でのロシア外交部門トップはどのように考えているのか、話を聞きました。

 3月1日に取材に応じた在大阪ロシア連邦総領事館のテルスキフ・アレクサンダー総領事。プーチン大統領が年次教書演説で主張したように、戦いを始めたのは「ロシア側ではない」と改めて強調しました。

 【在大阪ロシア連邦総領事館 テルスキフ・アレクサンダー総領事】
 (Qウクライナ侵攻から1年が経ちました。どんな1年でしたか?)
 「ウクライナでの紛争は1年前に開始したというわけではないです。2010年に(ウクライナ)キエフでクーデターが発生しました」

 (Qプーチン大統領に『この戦争をやめて』と思いませんか?)
 「軍事作戦の目標を達成しないといけないと思います。同時に私もそうですし、(プーチン大統領の)判断を支持しています」

 今年2月、プーチン大統領は核戦力の強化を表明、アメリカとの核軍縮の枠組み「新START(新戦略兵器削減条約)」の履行停止も表明するなど、核の脅威が高まっています。

 (Q核をちらつかせている。これはあってはならないと思うのですが?)
 「核兵器を利用する意欲はありません。(新START履行停止は)ロシアとしてはやむを得ない措置でした。ロシアの意見と向き合わない限り、再履行することはできないと思います」

 一方、中国が早期の停戦を呼びかける和平案を発表したことについては、次のように述べました。

 「中国はロシアの非常に大事なパートナーですから。中国側の立場は、戦争ではなく交渉の場でウクライナの紛争を解決しないといけないと。ロシアとしてもそういう立場を支持しています。もしキエフ政権が交渉する意欲が無いなら軍事作戦は継続します」

 侵攻1年。多くのロシア兵も命を落としています。

 (Q戦いで思ったような“成果”が得られていないのでは?)
 「軍事作戦は着実に一歩一歩続いておりますので、それで成果があるかどうか、一番大きな成果は作戦の目標を達成することです。(Q苦戦しているわけではない?)そうだと思います」

 世界を巻き込んだ作戦に終わりはあるのでしょうか。

 (Q侵攻から2年となる来年2月24日には終わっていると思いますか?)
 「それは誰もわからないと思います。神様だけがわかるかもしれないですね」