マスク着用なしでの卒業式容認の流れの中、学校で話を聞くと、3年間全てをコロナ禍で過ごしてきた卒業生からは様々な声があがりました。

去年は校歌『清聴』…今年は校歌『斉唱』の卒業式を予定

 大阪市旭区の「常翔学園中学校」。3年生は残り少ない中学校生活を送っています。音楽の授業では3月の卒業式に向けた校歌の練習が行われていました。去年までは、感染対策のため聴くだけだった校歌ですが、今年からはマスクをしたまま声を出して歌うことになりました。

 MBSでは3年前の2020年3月、新型コロナウイルスが騒がれ始めたころに系列校「常翔啓光学園」の卒業式を取材していました。

 (放送室からの卒業生答辞)
 「中止になってほしくはなかった。クラスの友達と泣いたり笑ったりしながら、最後に花道を歩いてお別れをしたかった」

 当時、広いホールでの式は中止され、各教室で卒業証書を授与。学校の外で卒業生の我が子を待つ保護者たちの姿がありました。

 今年はどんな卒業式を予定しているのでしょうか?

 (常翔学園中学・高等学校 田代浩和校長)
 「3年前はホールじゃなくて教室で、保護者の方に来ていただかずに生徒だけでやったこともあるんですけども。去年は各ご家庭1名でお招きしていました。今年は各ご家庭2名でお願いしております」

『マスクなし卒業式』容認できるとの見解…生徒の声は?

 そんな中、2月8日の厚生労働省の専門家会合で、感染状況が落ち着いていれば学校の卒業式などでマスクなしで参列することも容認できるとの見解が示されました。

 専門家の会合では「学校でマスクをつけることによって感染リスクを減らす効果が報告されている」とする一方で、「一生に一度の行事である卒業式や入学式などではマスクを外して参加したい気持ちも理解できる」と指摘。ただし参加者同士の距離を空けるなどの配慮も必要だとしました。

 こうした方針について生徒たちからは次のような声が聞かれました。

 (中学3年生)
 「もう3年間、入学してからずっとマスクをつけていましたから、最後ぐらいはみんなの顔を覚えて卒業したいなって思っています」
 「マスク外して顔見えたりするのが嫌だから外さないです。3年間、顔見られていない相手とかもいるので、ちょっと嫌だなっていう…」
 「つけているのが当たり前みたいになってきて、下着と同様みたいな感じなので外さないです」
 「卒業式っていう行事ごとやから、そこだけやったら外してもいいかなって思います」

 学校では今後、国からの正式な通知などをもとに判断するとしていますが…。

 (常翔学園中学・高等学校 田代浩和校長)
 「今年の卒業生は入学の時からずっとマスクをしていて特別な学年です。3年間ずっとコロナ禍で過ごしてきたということもあります。もちろんできることであればマスクなしで素顔で参加してもらいたいんですけども、現時点ではすでに(卒業式に参列する)ご家庭にもマスク着用をお願いしている次第です。外してくださいと言っても、感染について不安になる子もいれば、マスクを外して素顔を見せることにも不安になる子もいるということで、なかなか『マスク外していいですよ』と言うのはちょっと難しいなと思っております」