去年11月18日に神戸市西区にオープンしたヒラキ「おかし館」。地域最大級である85坪の売り場に約2100種類のお菓子がズラリと並び、懐かしの駄菓子も600種類あります。去年12月30日に店をのぞいてみると、そこにはかごいっぱいのお菓子を買い求める人たちの姿が。オープンして間もないこの店が初めて迎えた年の瀬の一日に密着しました。

「子どもに気分良く年末年始を過ごしてほしくて」開店前から待つお父さん

 開店30分前の午前8時30分、店内では商品の陳列など準備に追われていました。

 (スタッフ)
 「お正月を過ごされるのにお菓子は必需品やと思います。できるだけ商品を多めに用意しておかないと」
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 慎重に並べるも、隙間なく山積みされているため崩れてしまうことも。
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 そのころ、店の外には開店を待つ1番目のお客さんがいました。車で30分かけてやってきた3人の息子のお父さんです。

 (1番目の客)
 「安いお菓子があったから来ました。(Q何を狙っている?)ララクラッシュです。お菓子をあげていたら機嫌が良くなるので、子どもらが。気分良く年末年始を過ごしてほしいなと思って」
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 午前9時、開店すると一目散に売り場へ。狙っていたゼリーを無事、買うことができました。

 (1番目の客)
 「(Q何個買った?)12個。食べ盛りなので」

 朝から一仕事、お疲れさまでした。

物価高でも1個数十円!『駄菓子コーナー』もにぎわい

 店は家族揃ってのお客さんでにぎわい始めました。駄菓子がお目当てだというお客さんに話を聞きました。

 (駄菓子が目当ての客)
 「お正月もうすぐなので、その時にあわせて。お年玉に(親せきの)小さい子のためにお菓子の詰め合わせを作ろうと思って。ここやったらいっぱいお菓子があるので」
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 物価高騰のさなか、数十円で買えるフーセンガムやよっちゃんイカ。色とりどりのお菓子は、いまの子どもたちの心もぐっとつかみます。
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 お気に入りを選んで、自分で買い物するのも楽しい体験です。

親子3世代の10人で『買い物かご4つ分』を購入

 親子3世代で来る人も。孫たちの希望でやってきた兵庫県の播磨町に住む八木修一さん(58)一家。この日は、総勢10人で買い出しです。
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 (八木修一さん)
 「娘と息子の家族と孫が2人ずつ。うちの実家に集まって、毎年集まるんですけど、年末に。きょうはみんなでお菓子を買いに行こうと張り切って」
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 買い物かご4つ分をお買い上げ!

 (八木修一さんの孫)
 「全部食べていい?ガブガブ食べる」

 総額は1万円超え。ぜんぶ、おじいちゃんである八木修一さんのお小遣いからです。
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 孫たちは元日、お菓子を持って、離れて暮らすひいおばあちゃんの八木典枝さん(84)の家へ。念には念を、全員、検査キットで陰性を確認して会うことにしました。テーブルにお菓子を広げます。

 (八木典枝さん)「すごいな、それでもこれ。数にしたらすごいで」
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 (八木修一さんの孫)「おばあちゃん、どうぞ」
   (八木典枝さん)「ありがとう。チョコ」

 家族団らん。たくさんのお菓子でにぎやかなお正月になりました。

“激安商品”を売る靴店がオープンしたお菓子専門店

 このおかし館を運営しているのは、兵庫県を中心に15店舗展開している靴のヒラキ。180円のスニーカーなど激安商品が並びます。そのヒラキが去年11月、お菓子を専門に扱う店舗をオープン。お菓子を大量に仕入れることで、ここでも安さを売りにしています。
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 午前11時。開店から2時間で、レジを待つ長い行列ができていました。レジ係の人も“高速”で作業を進めます。
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 (レジ係の人)
 「(Qけっこう忙しい?)はい。とても忙しいです」
 「1人72点とか、とにかく細かいね」 
 「駄菓子は細かいのがいっぱい」
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 スマートフォンで計算しながら買い物する人の姿も。

 (計算しながら買い物する客)
 「孫に1人1000円まで買うようにと言うて。ちょっと勉強にもなるしね」
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 (子ども)
 「(Qいま何円分?)いままだ少ないです、282円しか。(Q1000円分買おうと思ったら大変やね?)はい。(かごに入れたのは)チップスターとキャラメルコーンとカラムーチョ」

 午後になると棚が空っぽになるお菓子も。午後3時、店員さんは補充に大忙しです。
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 (スタッフ)
 「(Qだいぶ売り切れてきた?)いやいや、在庫はいっぱいあるんですけど、売り場のほうが減ってきているので」

一番300円に近いのは誰?お菓子の合計金額で競う小学生

 午後4時。3人の男の子が店から出てきました。小学6年生の小野聡章君・小野佑樹君・林弘樹君で、聡章君と佑樹君は双子のきょうだいです。

 (聡章君・佑樹君・弘樹君)
 「きょう初めてです」
 「(Qお店どうだった?)広かった」 
 「きれいだし、品ぞろえがすごい」

 買ったお菓子は近くの公園で食べるんだそうです。
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 実はこの日、3人はちょっとした遊びを考えて店に行っていました。お菓子の合計金額が誰が一番300円に近いか競っていたそうです。
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 (弘樹君)「(Q300円は誰が決めた?)みんなで誰が一番いいの買えるか」 
 (佑樹君)「300円ジャストで俺が勝ちました」
 (聡章君)「345円」
 (弘樹君)「275円」
 (佑樹君)「(Qちょうど300円だった時は?)けっこううれしかったです」

 4月からはいよいよ中学生。小学校最後の冬休みを楽しんでくださいね。

部活の初稽古で配るお菓子を箱買い「安くてかさが高くておいしそうなやつ」

 閉店まであと1時間の午後7時。箱買いをする女性がいました。一体なぜ?
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 (箱買いする客)
 「子どもたちの部活の、新年の稽古のあとのおやつです」

 高校2年生になる息子さんが空手部に所属していて、その初稽古で部員にお菓子を配ろうと買いに来ていました。

 (箱買いする客)
 「部費で買い物しているので、予算を計算しながら。(1人)200円くらいで。安くてかさが高くておいしそうなやつ」
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 午後8時、閉店。この日、レジで会計したお客さんは1377人。売れたお菓子の数は2万5560点。おかし館の長い一日が終わりました。

 
 【営業時間】
    平日:午前10時~午後8時
 土・日・祝:午前9時半~午後8時
 ※取材した日は午前9時に開店