今年も販売が始まった『年末ジャンボ宝くじ』(※12月23日まで販売)。1等・前後賞あわせて10億円です。「車を買う」「世界一周旅行に行く」…当選に夢見る人たち。縁起がよいとされている「一粒万倍日」の名物宝くじ売り場に密着しました。
『年末ジャンボ宝くじ』発売日の特設売り場は賑わう
1等・前後賞あわせて10億円の年末ジャンボ宝くじ。11月22日の発売初日、大阪・梅田の特設売り場には、多くの人が詰めかけていました。
(宝くじを渡す販売員)
「大きいの当ててください。当たりますように」
(売り場にいた人)
「いっぱい買ったよ。2200枚、66万円分。1等狙い」
「少しくらい夢見たいなと思って」
「当たる気だけはします」
一粒万倍日 大阪の『名物売り場』には鹿児島から来た人も
そして販売開始から1週間たった11月29日。
(売り場で呼びかけるスタッフ)
「本日、一粒万倍日、大変縁起のいい日となっております。いかがですか」
この日は一粒万倍日。一粒の籾から大きな収穫を得ることができる縁起のよい日とされています。東大阪市の近鉄布施駅近くの売り場「布施ポッポアベニューチャンスセンター」には、午前10時の開店から行列ができていました。
10億円に夢見る人たち。名物売り場の1日を定点観測しました。
売り場にいた人たちに「10億円が当たったらどうするか」を聞いてみると…。
(売り場にいた人)
「家建て直したい。車買いたい」
「世界一周旅行に行ってきます」
「え!?そんなん…怖いです。死んじゃいそう」
買い方も様々。封筒からお札を取り出す人もいれば、100円玉を数えて30枚出す人も。購入した宝くじに手を合わせる人もいます。そして、遠方から買いにくるお客さんもいました。
(鹿児島から来た人)
「鹿児島でちょっと調べたら、ここがけっこう当たると聞いたので、(兵庫に住む)姪っ子にお願いして連れてきていただいたんです。わざわざ。30枚、30枚…90枚くらい(買った)。(Q10億円当たったら何に使う?)まだ考えていないです。予想していませんけど」
24人の億万長者がこの売り場から誕生
「布施ポッポアベニューチャンスセンター」は全国でも有数の“大当たりが出る売り場”。
実際、今年8月の「サマージャンボ」で7億円、去年の「ハロウィンジャンボ」で5億円など、これまで24人の億万長者がこの売り場から誕生しています。
さらに、宝くじを売る販売員の「福娘」たちも縁起の良い名前です。
(大冨賀代さん・惠美須屋理代子さん)
「大冨で~す。惠美須屋で~す。私たち福娘で~す」
大冨さんと惠美須屋さん。もちろん本名です。
(福娘 大冨賀代さん)
「名前を見て『あっ大冨さんや』『惠美須屋さんや』という感じでね。お客さんもニコニコして」
(福娘 惠美須屋理代子さん)
「札束をバサッと持って(くるお客さんもいる)。(Q何万円くらい?)100万円」
福娘から買う人に話を聞きました。
(福娘から買う人)
「めでたい名前。よう来ているんですよ。大冨さん(から買った)。冨が多い」
『理系出身』の夫からは購入控えるよう言われたが…30枚購入「ドッグランを家に作りたい」
午後0時30分。この日はあいにくの空模様でしたが、雨で足元が悪いなかでも売り場には夢見る人たちの列は途切れることはありません。
売り場で絵馬に願いごとを書いていた京都府木津川市の野副潤子さんに話を聞きました。30枚購入したということですが、10億円の夢は?
(野副潤子さん)
「当たったら、夢の旅行とドッグランを家に作りたいと思います」
大当たりすれば愛犬・つくねちゃん(メス・6歳)のために自宅の庭に人工芝をはってドッグランにしたいと話します。
そんな夢を持ちながらも、夫の厚訓さんからは宝くじの購入を控えるように言われていたそうです。
(野副潤子さん)
「夫が大学で理系だったので結構数字とかが得意なんですけど、『こういうのって競馬よりも当たらない』って言っていたので、『こんなんホンマに頑張ってたらアカン』って。『頑張るんやったら競馬で頑張れ』って。まあ、夢を買うってことなので、当たったら、本当に当たったらって感じなので。気長に結果を待つだけですね」
ドッグランでつくねちゃんが走り回る姿を夢見て…。
家族が暮らすのは大分の別府 当選して「飛行機とかで行き帰りできたら理想」
続いて話を聞いたのは、店の内装工事など自営業をしている松井哲也さん(53)。
(松井哲也さん)
「(Q宝くじ買った?)買いました、もちろん。70枚。子どもが2人いるんで、子どもに(お金を)残してとか、そういうことを考えたら楽しくて寝られないです」
もともと妻と2人の子ども、4人で大阪で暮らしていました。しかし4年前、親の介護で実家がある大分県別府市に家族で帰る予定でしたが、松井さんは仕事をすぐに変えることはできず、単身で大阪に残ることを決めました。
(松井哲也さん)
「ちょうど12月に入ってすぐに子どもの参観日があるんで、それに合わせて帰ろうと思って。たまに会うとやっぱり『おっ、こんなに大きくなったなあ』とか『くそ生意気なことを言うようになったな』とか、どんどん変わっていくからおもしろいですよね、子どもって。(Q今さみしくない?)仕事がある時はとにかく仕事のことばっかり。やっぱりふとした時に思いますよね。本当に『どこでもドア』があったらいいなあって」
松井さんの子どもは、いま小学4年生と2年生。大阪の自宅には家族の写真が飾られています。
息子からもらった手紙を見せてもらいました。
(松井哲也さん)
「子どもが小さいときに書いたやつですね。(Qなんて書いてある?)『おとうさんへ、いつもありがとうね』と。これまだ3歳くらいじゃないですかね」
もし宝くじが当たったら?
(松井哲也さん)
「今はしょっちゅう行ったり帰ったりするもんで、ちょっとでも安くしたいというのがあって。新幹線でも安いプランにしたりとか、あとフェリーですよね。そういうのにかかる交通費とかがね。ジャンボが当たったら気兼ねなく行けるなって。飛行機とかで行って帰ったりできたら理想じゃないですか。いまの生活にちょっとプラスできたらいいなと」
午後6時。東大阪市の宝くじ売り場は、日が暮れても客足は絶えません。
午後7時前。閉店間際に売り場に駆け込んできたこの日最後のお客さんにも話を聞きました。
(この日最後の客)
「(Qきょう中に買いたかった?)そうなんです。(『一粒万倍日』の文字を指差す)」
(この日最後の客)
「(Qご自身でぜいたくしようとか?)いままで十分にぜいたくしてきましたので。私の年になったらやっぱり周りの人に幸せをちょっとでも。もしよければみなさんにも」
「みんなで一緒に見るのが一番楽しい」宝くじを持って家族が暮らす別府へ
11月30日。新大阪駅には、別府に帰る松井哲也さんの姿がありました。手には子どもたちに渡す大阪土産。もちろん宝くじも持っていきます。
(松井哲也さん)
「やっぱり帰って(家族)みんなで一緒に見るっていうのが一番楽しいかなって。わくわくですよね」
新幹線と特急を乗り継ぎ、別府まで約4時間。夜、到着すると駅には家族の姿がありました。
(子ども)「おとうさん」
(松井さん)「ただいま。大きくなったな」
(子ども)「うん」
(松井さん)「おなかすいたわ。よし、じゃあ行こうか」
久しぶりの家族団らん。松井さんは子どもたちに、宝くじが当たったら何がほしいか聞いてみました。
(松井さんの娘 咲希さん(10))
「ゲートボックス(AIキャラクターと話せる装置)がほしいです」
(松井さんの息子 陽希君(7))
「廃番のトミカを10個ほしい」
年の瀬に宝くじで夢見る人。宝くじは離れて暮らす家族に“ジャンボ”な幸せを運んでいます。