10月27日、旧統一教会や、別の宗教団体の元2世信者らが記者会見を行い、実体験を語りました。「異性と手をつなぐと罰」「子どもを鞭で打つことを推奨」。会見の後、小川さゆり(仮名)さんに詳しく話を伺いました。(10月27日放送 MBSテレビ『よんチャンTV』より)

―――10月7日、日本外国特派員協会で会見を行った際は、旧統一教会から「会見を中止するように」という内容のFAXが届き、ご両親のお名前も入っていた。大変ショックを受けられたということでしたが、現在までどのように過ごしていましたか。

正直、しばらく体調が悪いときが続いてしまいまして。でも、今までもそういうのを乗り越えてきたことがいっぱいあったので、自分なりに体調の回復の仕方や、心の問題を乗り越えてきた経験もあったので、自分で治し方はわかったかなと思って、今は無事、本当に治りました。ありがとうございます。

―――今日(27日)も会見をなさいました。辛い思いをしてでも、会見を続けようというふうに思っているのはどういうところからですか。

はい。一番の原動力って、私今年子どもが生まれて母親になったんですけども、やっぱり子どもたちを見ていても、自分がつらい経験をしてきたことや、宗教的な被害を受けてきたことを子どもたちの代に残したくないと思っていて、それが一番の原動力になっています。

―――メディアに出始めてから小川さんに反響ですとか、何か手応えのようなものって感じることはありますか。

そうですね、非常に多くの声をいただいていて、最初はもちろん元信者の方から応援をいただいてたんですけれども、やっぱり一般の方々からもSNSを通じて「応援しています」という声をいただくことが多くてありがたいなと思っています。

―――逆に、批判的なメッセージもあるというふうに聞きます。

特派員協会の会見後は、ちょっとエスカレートしてきた部分もあって、現役信者さんだったり、全く関係ない一般の方からの誹謗中傷というのもあります。

―――今日の会見の中では宗教2世たちが苦しんできた「虐待」の実態が語られ、旧統一教会だけでなく、様々な宗教2世の実体験が含まれていました。その一部を紹介します。

「フォークダンスで異性と手を繋ぐだけで罰を与えられる」
「学費を使い込まれた。大事な部活動を修練会という行事を理由に休まされた」
「精神を病んで訴えても、『全て悪霊のせい』と言われてしまった」
そして宗教によっては「子どもを鞭で打つことを推奨された。電気コードでぶたれた」

最後の方は、「私からすれば当たり前の日常であって虐待を受けている感覚はなかった」と、そんなことも語られていました。

―――家庭内で行われてることは、外からはわからないんですが、小川さんはいつ頃から、ちょっと違うんじゃないか、と思われたんですか。

結構早い段階で違和感はちょっとあって…。教祖の写真に向かって土下座しなきゃいけないとかは、他の子どもはやってないんだなっていうのは、小さい頃からわかってはいたんですけど、でもそれが当たり前になっていってしまい、(脱会などを考えたのは)高校卒業後とかその辺になってしまいました。

―――実際にアクションを起こしたきっかけは。

ストレスで精神を病んでしまったんですけども、そういった自分に両親が全然対応してくれない。教会に相談しても、悪霊のせいにされてしまい全然解決にならず向き合ってもくれない。すごく矛盾や不信を感じて脱会のきっかけに繋がりました。

やっぱりこの問題っていうのは、ただの私の家族の問題なのか、毒親だった、たまたま運が悪かったのか、っていうとかではなくて宗教を悪用した団体がまずあるということと、そしてまたそれを国が助長してしまった。だって宗教法人格っていうものを与えて、お墨付きを与えていたんですね。この宗教は、まともな宗教ですと。国としてはしっかりそこの責任を感じてほしいですし、だからこそ、けじめをどうつけるのか、被害者の声をしっかりと聞いて、早急に旧統一教会のような団体も解散に持っていっていただきたいですし、被害者救済の法案をしっかりと作っていただきたいです。