高騰が続く電気料金。その影響は私たちの生活だけではなく水族館や自治体などにも大きく表れています。

 私たちの生活に大きく響く電気料金の値上がり。来年春以降も大幅に値上げされることが見込まれるため、岸田文雄総理は来年1月以降できるだけ早く負担軽減策を実施することを明らかにしています。
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 電気料金高騰の影響はこんな場所にも表れています。約620種3万点の生き物を展示する「海遊館」では…。

 (海遊館 柿本賢佑さん)
 「生き物たちが暮らす水槽内もそうですし、お客さまがいらっしゃる観覧通路にもいたるところで電気を使っています。量が量なので影響もそれだけ大きくなりますね」
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 中でも多くの電気を使用するのが“水温を整える機械”などです。

 (海遊館 柿本賢佑さん)
 「こちらの設備は水の温度を整える機械です。電気で動いています。海水をそれぞれの生き物にあった温度に調整しています。こちらにあるのが水槽のろ過装置です。生き物たちの体調管理のためにも365日24時間止めることができない設備です。これだけの設備を動かすためにはそれなりの電力が必要です」
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 館内にある水槽はそれぞれに照明・ろ過・水質調整が必要です。またペンギンのいるエリアは常に室温を3℃に保たないといけません。海の生き物たちにとって細かな環境調整は生命維持に関わるため止めることができず、かなりの電気代がかかってしまうといいます。海遊館では照明のLED化などを進めて対策を行っていますが…。

 (海遊館 柿本賢佑さん)
 「想定していたよりも電気料金の値段が上がっている部分もありますので、予算の関係だったりでかなり苦労している部分もあるようです。早急に対応できるところとしましては、スタッフの事務所の小まめな節電が一番身近なところかなと思いますので、改めてそういったところを徹底していきたいと思っています」
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 電気料金値上がりの波は自治体にも容赦なく押し寄せています。昼休みになると庁舎内が一斉に消灯される「兵庫県庁」。職員たちは窓から入る光を頼りに昼食をとったり作業をしたりします。

 (兵庫県庁の職員ら)
 「ちょっと暗いんですけど文字は見えるので作業している感じです」
 「もう毎日なので、昼休みはこのくらいの明度」
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 10年ほど前から節電対策として昼休みの消灯などを続けていますが、今年はそんな地道な節電対策では補いきれない事態になっているといいます。

 (兵庫県 中野秀樹財政課長)
 「(電気料金が)非常に高騰しておりまして、当初予定しておりました予算額では電気代の支払いが難しいと」

 今年度の電気代が昨年度より3割増える見込みで、当初予算の45億円では足りず、急遽、増額分約13億円を補正予算に組み込みました。

 (兵庫県 中野秀樹財政課長)
 「非常に想定外の事態となりまして、財政的にも影響が大きいかなと思っております」

 県では国への財政措置の要望も検討しているということです。
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 関西電力における一般家庭の電気料金の推移を見てみると、去年1月から1000円以上値上がりした状態のまま高止まりが続いています。高騰が続く電気料金に街の人は次のように話します。

 (街の人)
 「たしかに明細を見ると上がっているなというのはすごく感じますね。電気を消すとかコンセントを抜くとか、そういう地道なことをやっています」
 「(電気料金が)上がっていて、電気会社というか供給会社を変えようかなと検討したりとか」
 「携帯会社のセットのやつに入っているんですけど、どこまでが安いのか高いのか全然把握できていないです」