「メンズ美容総研」が男性2000人を対象に今年1月に調査を実施した「男性の美容に関するアンケート」によると、『メンズメイクをしている』と回答した人が、10代で22.5%、20代で24%で、10~20代の約4人に1人がメンズメイクをしているということです。メンズメイクを行う美容サロンでメンズ美容の最前線に迫りました。
男性向けの化粧水やマニキュア!売り場には多くの男性客
肌のケアには欠かせない化粧水。
男性のイラストが描かれているマニキュア。これら全て男性向けの美容商品なんです。
高島屋大阪店に設けられていた売り場には多くの男性客の姿がありました。(※現在このイベントは終了しています)
(会社員・37)「仕事柄お客さんと接する機会が多いから、(見た目を)どちらかというと少しでも気にしている方がいいかなっていうのはあります」
(妻)「かなり気を遣っていますよ。私もつけない化粧水とかをパシャパシャして」
中にはこんな人もいました。
(客)「眉毛を描くやつとかって?」
(店員)「こちらですね」
今メイクをする男性がじわりと増えているんです。一度メイクをすればもう虜に?!メンズメイクの最前線を取材しました。
客の8割が男性の美容サロン デート前の男性が『メイクレッスン』で来店
大阪・心斎橋にある美容サロン「自分改革サロンAKANUKE」。客の8割以上が男性だということで、脱毛やメイクなど美を追求するメンズが次々とやってきます。
取材した日に来ていたのは大阪市内に住む22歳の男性。美容サロンを利用するのは初めてだといいます。目的はメイクレッスン。「メイクをしたいけど知識がない!」、そんな人のためにここではレッスンもしています。
(オーナー)「(アンケートに書かれているのが)『モテるように』『万人に好かれたい』ということで。メンズメイクは3択に分かれていて、『全くバレたくない』『多少バレてもいい』『全然バレてもいい』の3択であればどれになりますかね?ご希望としては」
(22歳)「カッコよくなるのであれば」
(オーナー)「バレてもいいですかね。ただ万人受けするのであれば、あんまりバレないような清潔感を上げるメイクの方がいいかと思います」
(22歳)「じゃあそっちでお願いします」
今回は“バレないメイク”で清潔感UPを狙ったメイク術を習うことに。ところで、そのモテたい理由は…?
(22歳)「マッチングアプリの前にきました」
(オーナー)「これからデートに行かれる?」
(22歳)「そうです」
(オーナー)「なるほど。ではいい感じに仕上げていきます」
デート成功のため、より一層レッスンに熱がこもります。
塗り方などをレクチャーしながらメイク…仕上がりは?
まずはベースメイクから。工程をひとつひとつ説明します。
(オーナー)「パウダーファンデーションは大きい筆などで全体的に塗っていった方がより自然にお肌が仕上がります」
プロおすすめのコスメや、つける量・塗り方までレクチャーしていきます。
色を巧みに使い分けて、光と影を作り、自然な立体感を演出。
男性になじみのないアイシャドウも使って、目元がキラキラとして清潔感UPです。
約1時間後。
(オーナー)「どうでしょうか?鏡を見ていただいて」
(22歳)「すごいですね。むっちゃ変わっていますね。目元とかも明るくなっていて、今までの自分が生まれ変わったみたいで、やってよかったなと思いました」
メイク前と比べると、顔のパーツひとつひとつがくっきりとしています。
(22歳)「(Qデートはうまくいく?)気持ちは、ここに来る前は50%くらいだったんですけど、メイクをやったことによって100%くらいに気持ちが上がっていますね」
K-POPの男性アイドルのようにメイクがしたい!
続いてやってきたのは20歳の大学生。
(オーナー)「お化粧は初めてですか?」
(大学生)「はい」
(オーナー)「緊張しますね。楽しみですね」
(大学生)「はい。どんなふうになるのか」
K-POPの男性アイドルにハマり、「彼らのようにメイクをしてみたい!」と来店したのです。
さて初挑戦、レベルは“バレないメイク”に。
(オーナー)「眉毛の印象自体があんまりなかったんですけど、ちょっと長めにして黄金比に合わせて描いてみました」
(大学生)「メイクする前よりも全然、自分で言うのもなんですけど、ちょっとカッコよくなってるなって思ったので、自信が持ててよかったです」
初めてのメンズメイクに大満足の様子でした。
新型コロナウイルスの影響で外出機会が減り、2020年の化粧品全体の市場規模はコロナ前の2019年と比べて89%と減少。その中でも増加傾向にあるのが男性の化粧品市場です。2019年と比べて2020年は104%と増加傾向になっています。
コロナ禍をきっかけにオンライン会議で顔映りを意識する機会が増え、男性の身だしなみに大きな変化が生まれてきているといいます。
(自分改革サロンAKANUKE 儀間琴音オーナー)
「見た目の第一印象で8割が決まるって言われるくらい容姿って大事だと思っていて。男性も女性も同じ人間だから、メイクでお顔の印象が変わったりとか、人生の幅が広がったりするんじゃないかなと」
「手入れが面倒くさい」「女性受けがいい」ひげや眉毛の脱毛も人気
人生を変えるメンズ美容。その中でもポピュラーになってきているのが『脱毛』です。
(ひげ脱毛に通う人・24)「手入れがなかなか面倒くさいっていうのと、僕は彼女から『ひげが似合わないから出かけるときは剃ってくれ』っていうお願いがあったので」
(ひげ脱毛に通う人・31)「最近、周りの僕より下の世代の子たちが、メンズ脱毛が当たり前になってきていて。女性受けがいいっていうのがあったので。(ひげ以外も)すべてつるつるにしていきたいなと」
またマスク生活が長引く中で人気となっているのが眉の脱毛。理想の眉の形にあわせてワックスやピンセットで抜いていきます。
(眉の脱毛をする大学生・19)「今まで受けた眉毛のあたりの痛みの中で一番痛いです。痛みよりもカッコよさですけど…痛っ!」
カッコよくなるため、約45分間、痛みに耐え続け、理想の眉毛に仕上がりました。
デート前に韓国風ばっちりメイク!彼女も「となり歩くのルンルン」
再びメイク目当ての男性がやってきました。高田大愛さん(25)。普段からファンデーションを塗るなど、“バレないメイク”はしているそうですが、この日は韓国アイドルのような“ばっちりメイク”に挑戦です。
(オーナー)「今からどこかに行かれるんですか?」
(高田さん)「人と会う予定があって(Qデートですか?)そうですね、デートです」
目元は赤みのあるブラウンアイシャドウでクールに彩りデートに臨みます。彼女の反応はいかに?
(彼女)「お待たせ」
(高田さん)「変わった?」
(彼女)「いつもと違う?」
(高田さん)「そうそう。恥ずかしいけど…けっこう違う?」
(彼女)「ほんまや、すごい!韓国っぽくなってる!似合ってる!」
(高田さん)「ほんまに?」
(彼女)「目がよりくっきりしていいと思う。梅田とかに来るときはメイクしてたらとなり歩くのルンルンです」
メイクによって新鮮なデートを楽めたそうです。
「週に1~2回」すっかりリピーターになった大学生
別の日、サロンには見覚えのある男性の姿が。先日メンズメイクに初挑戦していた大学生です。
(大学生)「今日は前回と同じように清潔感でいこうかなと思っています」
あれからメンズメイクの虜になっていたようです。すっかりリピーターになっていました。
(大学生)「(来店は)週に1~2回ですね。時間の余裕があるときには来ていて、時間に余裕がないときは家で軽くする感じで」
肌の手入れから一歩踏み出したメンズメイク。新たなトレンドとして定着しつつあるようです。