奈良の山奥で生まれた新しいスポーツ「棍棒飛ばし」。初めての全国大会が開かれました。

 「棍棒飛ばし」は、台に置いた長さ50cmほどの棍棒を棍棒でたたき、飛んだ距離に応じて点数が入るという新しいスポーツです。奈良県宇陀市で農林業を営む東祥平さんたちが考案した競技で、「全日本棍棒協会」まで立ち上げました。

 (全日本棍棒協会 会長・東祥平さん)
 「(棍棒を)真っすぐ上げて、そのまま限界まで上にのびて、真下にたたきつける。当たる瞬間に水平になってるようにする」

 東さんが打つと棍棒は遠くへ飛んでいきます。記者もやってみますが、樫の木で作った棍棒は3kgほどあり、振り上げるのも一苦労です。見かけほど簡単ではありません。
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 東さんは7年前に山の仕事がしたいと大阪から引っ越してきました。しかし、手入れがされず荒れ果てた放置林を整備する中で、山への関心を高めるきっかけになってほしいとこの競技を考えました。

(全日本棍棒協会 会長・東祥平さん)
「棍棒やったら木に興味いくし、木に興味いったら山に興味いくし、となって山の活動に関わる人がちょっとでも増えたらいいなあと思います。楽しいことしてね、結果、いいことやってたらいいんでね」
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 そして10月7日、雨が降る中で初の全国大会が開かれ、4チームと個人参加の合わせて男女50人以上の競技者が参加しました。試合では2つのチームが攻撃と守備に分かれます。攻撃側の打者は棍棒を遠くへ飛ばして得点を狙います。そして守備側は飛んできた棍棒を棍棒で打ち返したり手でキャッチしたりして得点を防ぎます。コート外に打ち返されると0点です。
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 東さんも慎重に棒の位置を決め、打ちますが…キャッチされてしまいました。しかしその後は東さんのチームが順調に点数を重ね、無事に初優勝を飾りました。

 (全日本棍棒協会 会長・東祥平さん)
 「なんとか3勝して優勝できてよかったです。来年は最低でも10チームにしたいんで、増やしていきたいですね」

 棍棒飛ばしを世界へ。東さんは野「棒」に燃えています。