10月11日から始まる「全国旅行支援」対象はワクチンを3回接種していること、または陰性証明の提示が義務付けられています。旅行代金の割引率は、全国一律で40%。上限は、交通機関付き旅行で8000円。ホテル・旅館の宿泊のみだと5000円です。加えて、平日3000円、休日1000円の「地域限定クーポン」が発行されます。交通機関付き旅行で8000円と平日クーポン3000円を併用して、最大1万1000円お得ということになります。航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんは、現在15の都県で用意されている独自の割引の活用などに注目しています。そして割引が適用されない「うっかり」に注意(2022年10月10日 MBS「よんチャンTV」より)

―――10月11日から東京都を除く全国で始まった全国旅行支援。鳥海さん、平日休日の扱いは、どうなんでしょうか?

今回は、休日に当たるのは土曜日の夜のみ、それ以外は全部平日になります。金曜日の夜泊まっても、日曜日の夜泊まっても平日ですし、11月は祝日が全部飛び石です。文化の日(3日木曜)と勤労感謝の日(23日水曜)なので、ここは前後に止まっても全部平日になり、3000円もらえます。あと皆さん東京に泊まることもあると思うんですけれど、今回は出張利用でも使えるということで、お仕事に行ったとき、会社がホテル代等出すと思いますけれど、地域クーポンは予約されている方が全国旅行支援で取ってくだされば、チェックイン時に3000円がもらえるかもしれません。

―――GoToトラベルとの違い、GoToは全国一律で国が管轄しましたが、今回は各都道府県が事務局となっていて、各都道府県が力を入れています。独自に上乗せしようとしてるところが、いまのところ15都県あるということです。滋賀県は独自のクーポンを作るという話があり、奈良県は割引率を50%に引き上げて休日クーポンも上乗せ、石川県では宿泊者に抽選で特産品プレゼントなど独自策を上乗せしています。

今は、都道府県のみが示されていますが、ほかに「市町村単位」で上乗せをやるところがかなりあります。基本的には全部自治体の割引をしてから、最後に全国旅行支援を使うということで、国の予算を使ってないものであれば全て併用可能というのが今の観光庁が出している指針になります。

―――鳥海さんがおすすめする、判りやすいプランを選んでもらいました。特に関西人にオススメするのがこちら!「交通費を最大5000円バック 高知県がお得」です。紅葉スポットも高知県にはありますし、今は戻りガツオも美味しい。どんなふうにお得になるのかシミュレーションしていきましょう。

―――平日、2人で1泊2日の高知県旅行をした場合、そもそもの金額として、交通費込み1泊2食1人3万円の計6万円と設定します。ここから全国旅行支援を使うと、最大4割引きで4万4000円、さらに高知県独自の策は、交通費キャッシュバックです。1万円(5000円×2人)引かれます。さらには地域で使えるクーポン6000円(3000円×2)で、実質2万8000円で旅行ができるということになります。

―――高知県はホテル単体で予約して自分で交通機関を使っても、今回は5000円が割引になるんですね?

はい。すごいのが大阪からだと明石海峡大橋を使って淡路島経由で四国行けますよね。そのときETC使われると思うんですが、ETC代も1台5000円までバック。電車だと1人5000円で、車だったら1台5000円が戻るので、後で領収書とか送って、それを振り込んでもらえるといった形です。ホテルだけを取って、ホテルだけ全国旅行支援を使う。交通費は一旦自分で払って後で書類を送って5000円キャッシュバックと、そういったことが受けられるので、自由度が高くおすすめです。いまはカツオの時期で藁焼きもあるし、餃子もあるし、特におすすめです。

―――11歳以下の子供については、同行者全員が3回接種か陰性証明を持つことで、その子のワクチン証明も陰性証明も必要がないということです。鳥海さんのポイントはこちら「小さな子供を連れての旅行がお得です。乳幼児は旅行代金がかからなくても支援制度の対象」

そうですね。0歳児であってもクーポン3000円がもらえますので、それは親が使っちゃうのかっていう感じですね。先ほどの例では1泊で高知県旅行した場合、最大で実質2万8000円という話がありましたが、ここに子供旅行代金のかからない小さなお子さん1人が入ると、全国旅行支援にはお子さんも当てはまるので、プラス8000円割引、クーポンも1人分増えるので、もともと6万円だったのが、実質1万7000円で旅行できるということになります。

―――ただちょっと皆さん気をつけていただきたいポイントもあります。今回は各都道府県が管轄ということで、鳥海さんが取材をしたところによりますと、証明書を当日忘れた、となった場合の扱いで自治体に差があるようです。例えばグループで行くときに1人忘れたらそのグループ全員割引なしになってしまうのか、忘れた人だけが割引がないのか、こういったところの判断が自治体によって異なるということなんです。

グループが多ければ多いほど、忘れたときの影響が大きくなります。合宿などで10人同じ予約で取って1人忘れちゃったら駄目になっちゃうので、当日行った先ですぐ抗原検査が受けられて、すぐ現地で結果が出ればいいんですけれど、それがないと割引が受けられないし、最悪は全員割引を受けられないっていうことはあり得ます。注意が必要です。