ここにきてフェーズが変わったウクライナ情勢。現役の軍人以外の人を兵士として戦地に送り込むまでプーチン大統領を追い込んでいるのは、東部でのウクライナ軍の反転攻勢です。ロシア軍から奪還し解放された東部の町はいまどうなっているのでしょうか。現地に入った日本人ジャーナリスト・村山祐介さんが目にしたものとは…。

ウクライナが奪還した東部の町「バラクリア」 住民には安堵の様子も深刻な“食糧不足”

 ウクライナ軍の反転攻勢によりロシア軍から解放されている東部の町。その奪還作戦で最初に解放されたという「バラクリア」に村山さんが入りました。

 (バラクリア住民)
 「やっとすべて終わりました」
 「少なくとも、みな自由に動けて、地下シェルターに閉じこもっていなくていいんです」
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 安堵が広がる一方で住民は深刻な食糧不足に直面しています。街では電気・水道・ガスなどのインフラが完全に破壊されていて、物資も不足する中、本格的な冬がやってきます。解放を手放しでは喜べない現実があります。

郊外の墓地では遺体掘り返し死因調査「肉が腐ったような非常に強い臭いがあたり一面に」

 そして、東部「ドンバス州の入り口」として戦略的要衝となっていた町「イジューム」では戦慄の光景を目にします。

 (ジャーナリスト 村山祐介さん)
 「いま、イジュームの町はずれの林の中を歩いています。集団墓地が見つかった現場に向かっているところです」

 郊外で発見されたのは、約445もの墓です。町の人々の証言によりますと、ロシア軍が犠牲者を町の人たちの手で運ばせ、埋めさせたというのです。死因などの調査のためウクライナ警察などにより遺体を掘り返す作業が続いていました。

 (ジャーナリスト 村山祐介さん)
 「肉が腐ったような非常に強い臭いがあたり一面に立ち込めています。ちょっとこの穴に近づくのが難しいくらいの、強烈な臭いがしています」
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 中には拷問を受けたとみられる遺体がありました。

 (ウクライナ警察・戦争犯罪捜査局 ドミトロ・シェフチェク副局長)
 「9月18日の段階で111体の遺体をここから掘り起こしました。検視の結果、民間人の何人かは拷問を受けたとの結論に達しました。何人かは後ろ手に縛られており、何人かは切り傷と殴打を体中に受けた痕跡がありました」

ロシア軍の“拷問部屋”も…呼吸困難にする『ガスマスク』肉体痛めるための『木の棒』

 さらに、ロシア軍が拷問をしていたとみられる場所もありました。

 (ジャーナリスト 村山祐介さん)
 「こちらの建物の中に『拷問部屋』が見つかったということで、これから中に入る段取りです」

 イジューム中心部にある警察署。「立ち入り禁止」の紙が貼られた建物の地下室へ案内されると…。
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 (ウクライナ警察)
 「ここに椅子が2つあります。ひとつは尋問者、もうひとつは尋問される人です。呼吸困難にさせるための、特別なガスマスクです。木の棒は肉体を痛めつけるために使われました」