小さい子どもがなかなか泣き止まない時に多くの人が行う「抱っこして歩く」という方法。これについて理化学研究所が調査・分析した結果を9月14日に発表しました。科学が導き出した最良の寝かしつけ方法とは?

 泣くことが仕事とも言われる赤ちゃん。しかし、夜泣きなどが激しいと親がストレスに感じてしまうことも少なくありません。

 赤ちゃんを泣き止ませ寝かしつけるにはみなさんどうするのでしょうか?街の人に赤ちゃんの人形を渡して抱っこしてもらいました。

 (21歳)
 「寝かしつけ?こんな感じでたぶん揺らすと思います」
 (2歳の子どもを持つ夫婦)
 「(背中をポンポンとしながら)こんな感じです」
 (60代)
 「もう何十年前だろうって感じ。よしよしよし~という感じ」

 そんな中、理化学研究所は赤ちゃんを泣き止ませ寝かしつける効果的な方法を科学的に分析して発表しました。

 理研では生後7か月以下の赤ちゃん21組で実験した結果、5分以上抱っこして歩くと泣いていた赤ちゃんは泣き止み、約半数の赤ちゃんがそのまま眠ったということです。これは、親が子どもを運ぶ際に子どもが騒がず親に協力するという哺乳類が持つ生存本能「輸送反応」が影響しているといいます。

 つまり赤ちゃんを泣き止ませるには“動き”が大切なのです。

 赤ちゃんを抱っこして踊る「ベビーダンス」のインストラクター・足立和歌子さんに話を聞きました。

 (ベビーダンスインストラクター 足立和歌子さん)
 「お母さんがなめらかに足首・ひざ・股関節を使った動きをしてあげると、(赤ちゃんが)ぷかぷかと気持ちいい動きになるのではないでしょうか」

 ベビーダンスは歩く動きを基本とする社交ダンスをベースにしています。抱っこで肌が触れ、動くことで赤ちゃんも安心でき、一瞬で寝つくこともあるといいます。

 (ベビーダンスインストラクター 足立和歌子さん)
 「胎内で感じていた上下運動が、お母さんが抱っこして踊ると、その感覚が出てくるので落ち着かれるのかなと思います」

 赤ちゃんを寝かしつける方法は数あれど、今回、理化学研究所が発表したのが、泣き止まない赤ちゃんを5分以上抱っこして歩くと泣き止む効果があり、約半数の赤ちゃんは眠ったということです。ただ、せっかく寝ついた赤ちゃんが最も目覚めやすいのは抱っこした人の体から離れるタイミングですが、理研は赤ちゃんが眠り始めてから5~8分後にベッドに置くと目覚めにくくなることがわかったといいます。

 赤ちゃんを寝かしつけるプロの保育士さんたちに理研の方法を実践してもらいました。

 お昼寝の時間に泣いている男の子。保育士が5分間抱っこして歩き続けます。なかなか泣き止まない様子ですが、4分経過すると寝ついたようです。さらに5分間待ってから布団に下ろすと、寝かしつけに成功です。計10分かかりました。

 (保育士)
 「保育園で他にも仕事がある中でずっとそれ(抱っこで歩き続ける)をするのは難しいかなという感じなんですけど、おうちとかで1対1で子どもとかかわるって考えるのであれば、そんなに苦ではないのかなという感じです」