(2018年6月 逮捕当時の記事を再掲しました)

 大阪で、練炭自殺を装って弟が殺害された事件。逮捕された姉のパソコンには、弟のものとみられる遺書を作成した形跡が残っていました。また、弟が死亡する前には、姉が作った甘酒を飲んだ父親の体調が急変していて、警察が関連を調べています。

堺市の建設会社経営・足立朱美容疑者(当時44)は今年3月、弟の足立聖光さん(当時40)を実家のトイレで練炭自殺に見せかけ殺害したとして、きのう(2018年6月20日)逮捕されました。
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警察は当初、聖光さんが自殺したとみていましたが、解剖の結果、遺体から睡眠薬の成分を検出。練炭に火をつけたとみられるライターがトイレの外で見つかるなど、不審な点が判明しました。
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(足立朱美容疑者 2018年6月)
「今となっては自殺やろうけど追い込まれたのかなって。殺されたかと言われれば違うかとは思いますけど」

 逮捕前の取材に対して、事件への関与を否定していた足立容疑者。事件当日、聖光さんが書いたものとした遺書を聖光さんの妻に手渡していましたが、警察が調べたところ、足立容疑者のパソコンに文書を作成した形跡が残されていたということです。

(足立朱美容疑者 2018年6月)
「(Q.遺書には何が書いてあった?良心の呵責に耐えられなくなったとだけ書いていました。(Q.遺書は不自然さを感じました?)感じますね」
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 聖光さんの妻は「夫はパソコンを使って手紙を書くことはなく、内容や言い回しにも不自然な点が多い」などと話しているということで、警察は足立容疑者が遺書を偽造した可能性があるとみて調べています。

 さらに、不可解な点が浮かび上がってきました。聖光さんが死亡した当日、母親が足立容疑者が作った抹茶オーレを飲んだ後、意識がもうろうとした状態になったということです。その2か月前には、足立容疑者が作った甘酒を飲んだ父親が、2度にわたって過度の低血糖状態に陥って救急搬送され、今も意識不明の状態です。父親は糖尿病を患っていましたが、インスリンがなくなっていたということです。このとき、足立容疑者の関与を疑った聖光さんは、妻に「朱美にだけは気をつけろ」と話していたということです。

 さらに、聖光さんが死亡した1か月後には、怪文書が自宅や周辺にまかれたというのです。A4用紙2枚には、足立容疑者の関与を否定する内容が書かれています。
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【怪文書に書かれていた内容】
「足立氏とお姉さまは、はたから見ても本当に仲のいいご兄弟だったそうで、お姉さまの心境を考えると胸が痛くなります」

 警察の捜査では、この紙が足立容疑者の実家で印刷されていたことが判明。さらに、文書がまかれた時間帯の周辺の防犯カメラに足立容疑者の車が写っていたということです。警察は名誉棄損などの疑いで足立容疑者の自宅などを捜索、文書は足立容疑者が作成したとみて調べています。警察の調べに対し、容疑を否認しているという足立容疑者。警察は犯行の裏付けとともに、動機の解明も進める方針です。