8月11日は「山の日」です。行動制限が緩和されレジャーを楽しむ人が増えていますが、そこには危険もあります。

 山の日の8月11日、滋賀県の最高峰・伊吹山には多くの登山客の姿が見られました。あいにく霧に覆われ、琵琶湖の絶景は時折顔をのぞかせる程度でしたが、猛烈な暑さが続く平地から逃れ、訪れた人たちはひとときの涼を満喫していました。

 (愛知から来た人)
 「別世界ですね。涼しくて気持ちよくて、足取りも軽く来ました」
 (大阪から来た人)
 「大変やったけど、登ってから景色を見たらきれいやなと」

 行動制限が緩和された夏休み。レジャーを楽しむ人が増えていますが、関西では8月6日、ヒヤッとする出来事がありました。滋賀県東近江市の神崎川で、沢登りのツアーに来ていた男女約50人が中州に取り残されたのです。

 (カメラマンリポート)
 「川に取り残された人たちが救助を待っています」

 当時の映像では激しい流れに囲まれた川の中州に大勢の人の姿が見られます。消防に全員救助されケガはありませんでしたが、少し状況が違えば大惨事となった可能性がありました。

 また同じ日、2kmほど下流の愛知川でも、川の中の岩場に親子3人が取り残されました。こちらも無事にケガなく救助されました。

 8月6日は午前中、上流に位置する滋賀県と三重県の県境の鈴鹿山脈で激しい雨が降っていて、少しタイムラグを経て川が増水したとみられています。

 (目撃者)
 「(午前は川の水は)澄んでいました。全然きれいで、昼からもまた泳ぎに行こうかなと思った矢先に、本当に鉄砲水というか濁流が流れてきて。川は怖いなと」

 中州や岩場をめぐる水難事故。7月にも兵庫県加東市で加古川が増水し、岩場に男女7人が取り残されるなどしていますが、過去には悲惨な事故も起きています。

 1999年8月、神奈川県山北町の玄倉川で、大雨やそれに伴うダムの放水で水量が急激に増加。キャンプに来ていた18人が中州に取り残されました。救助が難航する中、18人は濁流に飲み込まれ、13人が亡くなったのです。

 せっかくの夏休みを楽しく安全に過ごすために、山岳ガイドの橋谷晃さんは『川の下流が晴れていても上流で雨が降ると水難事故の危険性がある。気象庁のHPなどを活用してほしい』としています。