3年ぶりに海開きした神戸の須磨海水浴場。5年前からイメージアップ作戦を進めていて、子ども連れの家族や若者が安心して遊べるよう、酒類の持ち込みや飲酒が禁止の「スマイルビーチエリア」を今年は2か所設置しています。須磨海水浴場の週末に密着しました。

危険生物がいることも…オープン前に海水浴場をチェック

 8月6日(土)の午前9時、須磨海水浴場の監視活動を行うライフセーバーらが集まっています。

 (ライフセーバー)「本日もよろしくお願いします」
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 まずはオープン前の海の様子をチェックしに向かいます。
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 すると砂浜で何かを発見。

 (ライフセーバー)「ウミケムシ。危険生物ですね」

 ウミケムシは、体に生えた剛毛に毒があり、刺されると腫れと痛みが伴います。海水浴客が踏まないよう穴を掘って埋めます。

海で遊ぶ人たちを注意深く見守るライフセーバー

 午前9時半、海水浴場がオープンです。3年ぶりの須磨の海、子どもから大人まで思い思いに夏を楽しみ、浜辺には歓声が響き渡ります。
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 そんな中、海で手を振るグループがいました。手を振っているのは「助けて」のサイン。すぐさまライフセーバーがボードに乗って様子を見に向かいます。
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 そして戻って来たライフセーバーに話を聞くと。

 (ライフセーバー)「全然大丈夫です。半分ふざけているんです。でもこれから(潮が満ちて)深くなるんで。いつポンと(事故が)起こるかわからないんです」
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 話している間も別の子どもの姿が目に入りました。

 (ライフセーバー)「ほらほら、あれが溺れるサイン。あの子まだ足ついてない。また深いところいくでしょ。だから沈む前にいかに見つけるか」

 海での事故を未然に防ぐのがライフセーバーの使命。気になったことはすぐさまスタッフの間で共有します。
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 ビーチのオアシス「海の家」も3年ぶり。店の常連とオーナー、久しぶりの再会に会話が弾みますが、コロナ前には18軒あった海の家も今年は6軒のみ。お客さんも減り、かつての賑わいとはほど遠いようです。

 (海の家のオーナー)「皆どこに遊びに行ったんですか海に行かずに。夏は海でしょ!」

約10年前には“汚い”イメージも…整備が進められ“きれいな海岸”へ

 関西有数のビーチとして知られる須磨海水浴場。かつては1シーズンで100万人もの人が訪れ、子ども連れの家族だけでなく若者も集まる夏の人気スポットでした。
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 しかし10年ほど前には、真夜中の打ち上げ花火に、マナーの悪い若者たち。
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 多くのゴミなどで“汚い”イメージも。
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 そこで神戸市などが整備を進め、みんなが安心して遊べる“きれいな海岸”へと進化してきました。

 (海水浴場に来た人)「汚いと思っていたんですけどきれいです」

 (ライフセーバー)「海がきれいになってきているし、魚は一回り大きくなっているし。本当に大きいですよ」

 水質だけでなく須磨のイメージも変わったといいます。体つきのいい2人に話を聞きました。

 (海水浴場に来た人)「ヤンキー多いイメージだったんですけど、全然いなくて」

 この2人、気になる人がいたようです…。

 (海水浴場に来た人)「いたいたいた、マッチョ。あの人です」
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 2人が指したほうへ行くと、こちらにも筋肉自慢の若者がいました。

 (海水浴場に来た人)「日焼けをしに来ました。(昔は)もっとガラが悪くて汚くてというイメージだったんですけど」
 (海水浴場に来た人)「来てみると意外ときれいでいいところやなと」
 (海水浴場に来た人)「(Q今年の夏の目標は?)かわいい彼女をつくりたいです。8月の終わりまでに。海で須磨で」

ケガをして詰所に来る人も

 そんな中、ライフセーバーの詰所に男性がやって来ました。

 (ライフセーバー)「ちょっと止血しましょうかね。結構グサッといってる感じなので」
   (カメラマン)「大丈夫ですか、ケガ」
 (詰所に来た男性)「船みたいなの登ろうとしたら、裏が貝でざらざらしていて」

 1人で来ているという男性、遊び始めて10分でケガをしたとのこと。応急処置を受けて海の方へと戻っていきました。

「家族と」「声をかけて知り合った人と」海を楽しむ人たち

 遊泳時間は午後5時まで。海水浴場の1日も、そろそろ終わりが近づいてきました。神奈川県から須磨に帰省してきたという家族もいました。

 (子ども)「(Q何歳?)6!」
 (子ども)「4!」
   (親)「30!」
 (子ども)「結構楽しい、さいこー」

 帰省したときにはいつも来るとのこと。夏休みの思い出の1ページになったかな。
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 少し離れた場所に見覚えのある男性がいました。足にケガをした男性、ここで知り合った外国人の女性グループとカードゲームで遊んでいました。

 (詰所に来ていた男性)
 「普通に声をかけて。(Q足は大丈夫ですか?)足もう治りました。(絆創膏)もう取れましたね」

 絆創膏が取れたことにも気がつかないほど、きっと夏休みの思い出の1ページになったはず。

親と離れてしまった子ども…素早く放送で呼びかけ

 同じ時間帯の午後5時ごろ、ライフセーバーには緊張が走っていました。

 (ライフセーバー)「詳細教えてください。…迷子。保護」
 (ライフセーバー)「さっきの子かな?多分うちのスタッフ、大体子どもと親と見て覚えているので、その覚えている親をいま探しているのかもしれないです」
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 保護されていたのは男の子。名前や年齢を聞き出し、素早く放送で呼びかけます。

 (放送で呼びかけるライフセーバー)「こちらは東監視員詰所です。現在○○くん、5歳の男の子をお預かりしています」

 保護して5分。無事、母親に引き渡されました。
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 (ライフセーバー)「一番こわいのは捜索。親御さんが『うちの子がいない』と言うときは本当に緊張感が走ります。ひょっとしたら海で溺れている可能性もあるので」

 最後の最後に迷子を保護したものの、無事故で1日を終えることができました。

 (スタッフらに話すライフセーバー)「お疲れさまでした。切り傷1件と迷子保護の子。今後もうちで対応しないとだと思うんですけど、よろしくお願いします」

 3年ぶりに賑わいが戻った須磨の海。遊ぶ人に、見守る人、鍛えた人に、ケガをした人。いろいろな出会いがありました。