大学生たちが地元の隠れた特産品を発掘して販売するセレクトショップが8月2日にオープンしました。

 東京駅近くにオープンしたセレクトショップ「アナザー・ジャパン」。九州地方の地酒やワイン、佐賀県の有田焼など、取り扱うのは全国47都道府県の地域特産品です。このお店の最大の特徴は、地方出身の大学生たちが経営している点です。
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 この日、店には長崎県出身や沖縄県出身の大学生もいました。担っているのは経営だけではありません。お店に並べる商品の提案や仕入れなど全てを大学生が担当しているのです。
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 (沖縄県出身の大学生) 
 「商品のセレクトなどを担当しています。案を出させていただいたんですけど、こちらの商品には沖縄のミンサー柄という織物の柄をあしらっていただいた」

 このお店では2か月ごとに取り扱う地域が変わるため、メンバーの中には関西出身の大学生もいます。

 和歌山県田辺市出身で東京の大学に通う3年生の保田葵さん。この取り組みに参加した背景には新型コロナウイルスの影響がありました。

 (和歌山・田辺市出身 保田葵さん)
 「大学に入学して、コロナが始まって、キラキラしているような東京生活をすごく夢見て上京したけど、何もできないっていう日々が続いたんです」

 コロナで様変わりした東京での大学生活。そんな中、地元への帰省などで地方の魅力を改めて感じ、それを伝えたいと思いました。

 (和歌山・田辺市出身 保田葵さん)
 「観光で来られる方は田辺市を通り過ぎて白浜まで行く。強みとしてはたくさんあるのに、それが田辺の人とか周辺の人にしか知られていないのが悔しいっていうか、発掘できるものがまだまだあると思っているので」

 例えば関西人にも余り知られていないという田辺名物が「ヒロメ」です。

 (和歌山・田辺市出身 保田葵さん)
 「わかめみたいな種類、同じ感じなんですけど。おいしい」

 しかし経営や仕入れとなるとなにかもが初めての経験となる学生たち。そこで開業までの4か月間、この事業の仕掛け人で、奈良で工芸品などを扱う中川政七商店の会長などから経営などのメソッドを学んできました。

 今年4月、大学生らが訪れたのは奈良県大淀町の茶農家です。

 (茶農家)「レモングラスと番茶とイチゴのブレンドです」
 (大学生)「是非買い取りさせてほしい」

 最盛期には600件近く茶農家があった奈良県大淀町も、今では数軒のみになってしまいました。茶農家も今回の取り組みには大きく期待しています。

 (茶農家)
 「大学生のみんなでどんなふうに伝えてくれるのかというところが、ものすごく興味深くて、期待がすごいです」

 関西の隠れた魅力を全国へ。大学生たちが特産品の発掘に駆け回っています。