新型コロナウイルスの感染者が急増する中で、後遺症の問題が出てきています。

 新型コロナウイルス患者を受け入れている大阪府堺市の邦和病院。7月28日も朝から発熱外来を予約する電話が鳴り続けていました。

 発熱外来に訪れた90代の女性。7月28日朝に発熱があったため、ただちに抗原検査が行われました。

 (スタッフ)
 「抗原キットで陽性ということで。2本線が出ているので陽性という判断になります」

 邦和病院では現在、重症患者用の3床は全て空いていますが、5床ある軽症・中等症患者用のベッドは7月20日ごろから急に患者が増えて満床の状態が続いています。急激な感染増加で、病床の確保や医療従事者の確保に追われているといいますが、さらに懸念していることがあるといいます。

 (邦和病院 和田邦雄院長)
 「(感染してから)1か月くらい経ってもまだよくならないという患者さんが多いですね。それがコロナ後遺症として受診されます。これから増えることが予想されますね」

 邦和病院では去年4月、コロナの治療後も咳が続くなどの症状を訴える人が多かったため、コロナ後遺症に対応する「後遺症外来」を始め、院長はこれまでに900人のコロナ後遺症患者を診察してきました。

 (邦和病院 和田邦雄院長)
 「倦怠感・脱力感・息切れ・動悸・体の痛み・味覚障害・嗅覚障害・脱毛・不眠が主な症状ですね。(発症時期は)いろいろ個人差がありますね。半年ぐらいだったり1か月前にかかってまだ調子が悪いということだったり。だんだん後遺症という知識も普及されていますので、自分が後遺症なんじゃないかという形で来られますね」

 現在受診に訪れる約9割がオミクロン株に感染した患者で、デルタ株と違い後遺症として咳や脱力感といった症状が多いといいます。現在の新規コロナ感染者は1日約20万人。コロナの患者が増加すれば、当然、後遺症患者の増加も懸念されます。

 (邦和病院 和田邦雄院長)
 「一旦治っても、1か月後に、あるいは2~3か月後に、また同じ症状を繰り返すと。これがコロナ後遺症の特徴なんです。患者さんは一番は早いこと働きたい、早いこと学校に戻りたい。フルに復帰するとまた症状が悪くなる。当初はウォーミングアップ的に時間と仕事の量を徐々に増やすということが大事。本人の理解、職場の理解があればいいと思いますね」