夏本番を迎え、今年こそ海に行こう!と決めている人も多いのではないでしょうか。ただし、危険な生き物に注意です。

 神戸市須磨区の須磨海水浴場は今年、3年ぶりの海開きとなりました。

 (訪れた人)
 「めっちゃ、たのしい」
 「はじめは冷たかったですけど、すごく気持ちいいです」

 待望の海開きとあって週末には家族連れなど多くの人でにぎわっているのですが、この夏、この須磨海岸で“猛毒生物”が見かけられています。須磨海岸に突如現れた危険生物、それは『カツオノエボシ』です。

 カツオノエボシはクラゲの仲間で、日本では太平洋側でよく見られ、カツオが到来する時期に黒潮に乗ってやってきます。烏帽子の形に似ていることから名前がついたそうで、体長は5cm程度。長い紐のようなものが繋がっています。ぷよっとしていて思わず触ってしまいたくなるような見た目ですが、毒性が強く、刺されると激しい痛みに襲われ、最悪の場合は死に至ることもあるといいます。

 そのため神戸市は見つけても決して触らないよう注意を呼び掛けています。神戸市によりますと、須磨海岸では毎年2~3個体が確認される程度だといいますが、今年は7月初めにたった1週間で6個ものカツオノエボシが確認されるなど急増しています。さらに関東のビーチでも大量に見つかるなどカツオノエボシは各地で増殖しているとみられています。

 7月8日、記者は須磨海岸で約2時間ほど見て回りましたが、確認はできませんでした。カツオノエボシは波打ち際などで海藻に紛れた状態で見つかることが多いといいます。

 (訪れた人)
 「怖いです。嫌ですよね。見た目はきれいやけど注意してね、触ったらあかんなとかね。僕らは知っているけど、お子さんとかは大変かも。知らないで触りますやん」
 「あー看板が出ていましたね。心配と言えば心配ですけど、(孫は)怖がりなので珍しいものにはあまり手を出さないと思います」

 須磨海水浴場では放送による注意喚起や張り紙のほか、ライフセーバーが巡回するなどして警戒を強めています。

 (神戸市港湾局海岸防災課 河原正夫課長)
 「注意喚起の看板を海岸内に10か所置かせていただいています。これ変だなと思ったら近くのライフセーバーに声掛けいただいて、決して触らないようにお願いします。3年ぶりの海水浴場ということでコロナ対策・安全対策をしっかりやって運営していきたいなと思っております」

【もしもカツオノエボシに刺されたときの対処法 ※日本ライフセービング協会によると】
▼触手が見て確認できるなら触手を抜く
・素手はNG
・手袋やピンセットなどを使用すること

▼触手が取り切れないときは海水で洗い流す
・真水や酢はNG

はれたり痛みが続いたりするようなら医療機関を受診してください。