7月24日に噴火した鹿児島県の桜島。108年前には、20世紀国内最大規模の大噴火が起こっていました。

 日本の活火山の中でも最も活動が盛んな桜島。その桜島で、いまから108年前の1914年(大正3年)に起きた“20世紀国内最大規模の噴火”が、死者58人を出した「大正噴火」です。噴出した火山灰や溶岩などの量は約30億トン。通常の噴火の10万回分に相当する規模だといいます。流れ出した溶岩は島の5つの集落を埋め尽くし、さらに海峡を渡って孤島だった桜島を大隅半島と地続きにしました。

 その噴火のすごさを物語るものがいまも地元に残されています。灰にうもれた神社の鳥居。高さ3mの鳥居がたった1日でこの姿になったといいます。

 火山の噴火は、地中深くにあるマグマだまりからマグマが吹きだす現象です。「大正噴火」では、いっぱいに溜まっていたマグマがほぼすべて噴出して空の状態になったとみられています。

 その後、長年にわたる調査で、桜島の地下に溜まるマグマの量は徐々に増え、いまでは「大正噴火」の頃に匹敵する量が蓄積していると考えられています。

 いま大正噴火と同じ規模の噴火が起こればどのような被害が出るのか。気象研究所による火山灰の広がりのシミュレーションを見ると、強い南西の風が吹いた気象条件では、1mmの厚さを示す青色の帯が大阪に到達し、関東あたりまで伸びています。推定される火山灰の量は大阪市で厚さ1.3mm、東京都心では0.3mmになるということです。