安倍晋三元総理が銃撃された事件。逮捕された山上徹也容疑者(41)の事件前の行動が徐々にわかってきています。そこから明らかになりつつあるのは襲撃を最終的に決断した時期です。

 安倍元総理が銃撃され殺害された事件から11日が経った7月19日朝、奈良市の近鉄大和西大寺駅前に設置された献花台が撤去されました。
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 逮捕された山上徹也容疑者は、母親が多額の献金をしていた宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」への恨みを募らせ、「安倍元総理と繋がりがあると思い犯行に及んだ」などと供述しています。

 母親の勤務先の社長によりますと、母親は家族の話はほとんどせず、事件があるまで息子がいるとは知らなかったといいます。

 (山上容疑者の母親の勤務先社長)
 「息子さんがおられたという家族構成自体も初めて(知りました)。担当に11日月曜日の日中ですけど連絡があって、当面休みますとだけ言って切ったということです」

 山上容疑者が事件前日に島根県のフリージャーナリストに送ったとみられる手紙では、次のような内容が書かれていました。

 (手紙に書かれた内容)
 『安倍の死がもたらす政治的意味、結果、最早それを考える余裕は私にはありません』

 警察が山上容疑者の自宅から押収したパソコンの中からも、この手紙と同じ文面データが見つかり、データは7月6日深夜に保存されていたということです。

 また、事件前日の7月7日に訪れていた安倍元総理の岡山市の演説会については、4日前に把握していたことも新たにわかりました。スマートフォンで演説予定を複数回確認し、その後、岡山行きの新幹線の片道切符を購入していたということです。

 警察は、山上容疑者がこの時期に安倍元総理の襲撃を最終決断したとみて捜査しています。