安倍晋三元総理が銃撃され死亡した事件で、逮捕された山上徹也容疑者(41)がSNS上に宗教団体への恨みなどを繰り返し投稿していたとみられることがわかりました。

 事件から7月18日で10日。周囲の安全確保などのため献花台が19日に撤去されるのを前に、多くの人が献花に訪れています。
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 逮捕された山上徹也容疑者は、母親が多額の献金をしていた宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」に恨みを持ち「安倍元総理と繋がりがあると思い込み犯行に及んだ」と供述しています。
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 山上容疑者のものとみられるツイッターのアカウントを見ると、初投稿は2019年10月13日。同じ月に旧統一教会のトップ韓鶴子氏が愛知県で集会を開いていて、襲撃に失敗した直後に始めたとみられます。ツイッターには旧統一教会への恨みが繰り返し投稿されています。

 【ツイッターの投稿より】
 「我が家から全財産を奪い、母に家族を騙してそれを秘匿するよう諭した」
 「オレが14歳の時、家族は破綻を迎えた。統一教会の本分は、家族からアガリを全て上納させることだ」
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 また安倍元総理についてもたびたび言及されています。

 【ツイッターの投稿より】
 「安倍政権に言いたいこともあろうが、統一教会と同視するのはさすがに非礼である」
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 安倍元総理を擁護する投稿がある一方、次のような記述もあります。

 【ツイッターの投稿より】
 「オレが憎むのは統一教会だけだ。結果として安倍政権に何があってもオレの知った事ではない」
 「岸が招き入れたのが統一教会。安倍が無法のDNAを受け継いでいても驚きはしない」
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 母親の多額の献金によって困窮していったとみられる山上容疑者。複雑な心境がつづられています。

 【ツイッターの投稿より】
 「オレは母を信じたかった」
 「言葉では心配している、涙も見せる、だが現実にはどこまでも無関心。こんな人間に愛情を期待しても惨めになるだけ」

 約2年9か月の間、投稿されたツイートは1363件。今年6月30日の投稿が最後となっていました。
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 山上容疑者はその後、事件前日の7月7日に岡山市内の安倍元総理の演説会場を訪れていましたが、この直前、岡山市内から島根県のフリージャーナリストの男性に手紙を送っていたとみられています。男性は旧統一教会の活動を批判するブログを運営していて、手紙ではブログの読者と明かした上で、旧統一教会への恨みをつづり、安倍元総理の殺害を示唆する内容も記されていました。
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 【手紙の内容より】
 「安倍は本来の敵ではないのです。安倍の死がもたらす政治的意味、結果、最早それを考える余裕は私にはありません」

 警察は既に手紙を押収していて、事件の動機の解明を進めています。