7月8日、奈良市で安倍晋三元総理が銃撃され殺害された事件。逮捕された山上徹也容疑者の伯父が取材に応じました。
安倍元総理が殺害された事件から7月15日で1週間です。今も現場では献花の長い列が途絶えません。
15日午前5時ごろには奈良県警のトップ・鬼塚友章本部長が現場を視察し、献花台で手を合わせました。
逮捕された山上徹也容疑者は、母親が旧統一教会、現在の世界平和統一家庭連合に入会し、1億円の献金をするなどして破産。旧統一教会への恨みを募らせていたとみられています。
15日、山上容疑者の伯父が取材に応じ、母親の献金によって家庭が崩壊していく実態を証言しました。
(山上容疑者の伯父)
「(母親が)入会とほぼ同時に2000万円を献金、さらにすぐ3000万円、計1億円。保険金と不動産でね。総額いくらかというのは(母親)本人も覚えてないですよ、次から次へと献金しているから」
母親は山上容疑者の父親の自殺がきっかけで1991年ごろに旧統一教会に入会。多額の献金による経済難で山上容疑者は大学に進学できませんでした。さらに家族も生活できなくなったため、山上容疑者は…。
(山上容疑者の伯父)
「平成17年1月に(海上自衛隊にいた)徹也が自殺未遂している。これを実行した理由ですけども、旧統一教会によって兄と妹が生活困窮しているわけです。そこへ自分の死亡保険金を渡すと」
母親は2002年に自己破産。伯父は「献金によって家庭が崩壊していった」と証言しました。
(山上容疑者の伯父)
「(Q信者の中でも比較的大きな金額を献金?)もうトップクラス、優良信者ちゃいます。だから破産以降は献金を受けていませんと旧統一教会が言っていたのは真っ赤なウソ」
山上容疑者の母親を知る人らも、その心酔ぶりをこう振り返ります。
(山上容疑者の母親を知る人)
「家庭がとても苦しかったけれど宗教で救われた、初めてその宗教のビデオを見て涙が止まらなかった、救われた、という話を聞きました」
「(母親に)お友達とお会いして、私以外の人に宗教のパンフレットを送ってこられて、それ以来、関係を絶ちました。連絡をとらないようにしました」
捜査関係者によりますと、山上容疑者は取り調べに対して次のように話しているといいます。
【山上容疑者の供述】
「安倍元総理を狙って撃てば死ぬかもしれないことはわかっていたが、どうしても統一教会が許せず、そこにつながっている安倍元総理を散弾銃で撃った」
さらに山上容疑者は旧統一教会の創始者の妻で現在の総裁を務める韓鶴子氏も狙っていました。
【山上容疑者の供述】
「韓氏を日本に連れてきた岸信介元総理の孫ということで、安倍元総理も統一教会と一緒と思っていた」
事件の背景として“宗教団体への恨み”が見えてきました。