発熱・ワクチン・インフルエンザ、3つの対応に追われる街のクリニック。今現場はどういう状況なのか取材しました。

「7月4日の週から急に忙しくなった」対応に追われるクリニック

 京都市伏見区にある羽束師クリニック。午前9時の診察開始と同時に患者が大勢詰めかけ、看護師も電話の対応に追われます。

 (電話対応するスタッフ)
 「おはようございます。どうされましたか?…2日前からですか?今は熱は何℃くらいですか?…予約の時間を空けましたので10時くらい」

 予約の隙間に新たな患者をねじ込んで、ほっとしたのも束の間。再び電話がかかってきます。
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 (羽束師クリニック 小川一也院長)
 「6月の最終週あたりから『あれ?増えてきたかな?』と思いだした。次の7月4日の週からもう急に忙しくなった」

 今は発熱で来る患者のほぼ9割がコロナ患者だといいます。発熱で訪れた40代の夫婦は2日ほど前から咳と高熱が続いたといいます。

 (診察する小川院長)「今はマシ?きのうは熱が高かった?まずのどを見せてください。マスク取りましょうか2人とも。誰かコロナいた?」
    (40代患者)「はい。子ども」

 すぐに抗原検査が行われました。

 (検査結果を伝えるスタッフ)
 「旦那さん陽性です。奥さんも陽性です」

“第6波”と違い「肺炎患者が若干増えているように思う」

 小川院長は最近の患者の症状は“第6波”とは違うといいます。

 (羽束師クリニック 小川一也院長)
 「肺炎患者が若干増えているように思います。第6波の時はあまり肺炎患者さんをみなかったんですが、最近はパラパラと肺炎の患者さんをみるようになってきました」

 (診察する小川院長)「お年もお年やし、コロナになったら肺炎が起こりやすいと思うので。今、痛いところある?」
    (70代患者)「咳して筋肉痛みたい」

 咳が多いという70代の女性。CTを撮ってみるとやはり肺炎を起こしていました。

 (診察結果を伝える小川院長)
 「小さい肺炎がやっぱりあるわ。重症化を防止するお薬を今から出しますので」

 診察と同時並行で行われているのがワクチン接種です。感染者数が増えるのに伴って希望者が急増。院長は部屋の間をあわただしく移動します。

 (羽束師クリニック 小川一也院長)
 「だいたい15分~20分に1人の割合で予約を入れています。今日の午後5時30分までずっと予約が入っています。だから今は3重苦なんです。発熱外来の対応とワクチンの対応と一般患者さんの対応と3つですね」

発熱外来患者の約1割がインフルエンザ

 クリニックを襲う“第7波”。そこに追い打ちをかけているのが…。

 (診察する小川院長)
 「コロナとインフル両方検査します。今インフルエンザも流行っているでしょ。一応2つ調べますけども、コロナ(陽性)が出なかったら明日インフルエンザ検査をもう1回します」

 (羽束師クリニック 小川一也院長)
 「喉(の症状)はインフルエンザの雰囲気やね。コロナの雰囲気じゃないわ」

 (診察結果を伝える小川院長)
 「お母さん、コロナ陽性」

 冬場に多いインフルエンザが今、少しずつ流行り出していて、このクリニックでは発熱外来の患者のうち約1割が実はインフルエンザだということです。

 (羽束師クリニック 小川一也院長)
 「2つの感染症が同時に流行するというのは初めての経験ですね。(コロナとインフルエンザは)全く区別がつかないですね。インフルエンザになるとインフルエンザの対応をしなければいけないですね。クリニックとしては能力の限界がありますので、限界いっぱいでしばらく走らなければいけない。オーバーヒートしないように頑張りますけど」