7月8日に安倍晋三元総理が銃撃され死亡した事件で逮捕された山上徹也容疑者は(41)は「宗教団体に恨みがあった。その宗教団体と安倍元総理につながりがあると思った」などと供述しているということです。

 こうしたことを受けて母親が入信していたとされる宗教団体「世界平和統一家庭連合」が7月11日、東京都内で会見を開き、田中富広会長は「山上徹也容疑者は信者ではなく、過去に信者であった記録は存在していません」と話しました。

 また、山上容疑者の母親について田中会長は信者であることを認め「これまでも1か月に1回程度の頻度で行事に参加していた」と述べました。

 そのうえで、団体への献金について田中会長は「献金には『月例献金』『礼拝献金』『無記名献金』など様々な種類があり、過去に高額の献金をした人もいる。ノルマという扱いをしていない」と話しました。

 また、山上徹也容疑者が「母親が宗教にのめりこみ、多額の寄付をして破産したので、恨みがあった」と供述していることについて、田中会長は「破綻された諸事情は私どもも把握しておりません。献金問題については捜査中のため言及を避けます」と言いました。

 そして団体と安倍元総理との関係については「友好団体が主催する行事に安倍元総理がメッセージなどを送られたことがございます。しかし当団体の会員として登録されたこともありませんし、また顧問にもなったことはございません、明確に申し上げておきたいと思います」と述べました。

 奈良市で安倍元総理が銃撃され死亡した事件で、7月10日、殺人容疑で送検された奈良市の元海上自衛隊員・山上徹也容疑者(41)は動機について「宗教団体に恨みがあった。その宗教団体と安倍元総理につながりがあると思った」「母親が宗教にのめりこみ、多額の寄付をして破産したので、恨みがあった」「安倍元総理を銃撃した前日の未明に宗教団体の施設に向けて試し撃ちした」という趣旨の供述をしているということです。