7月8日午前11時半ごろ、奈良県にある近鉄大和西大寺駅付近で、演説中の安倍晋三元総理が銃で撃たれました。心肺停止の状態で病院に搬送され治療を受けていましたが、午後5時3分に死亡が確認されました。この事件で、元海上自衛隊員の山上徹也容疑者(41)が殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されました。

 奈良県警は、奈良西署に90人態勢で捜査本部を立ち上げ、7月8日午後9時半から記者会見を行いました。

 警察によりますと、山上容疑者は犯行の動機について「特定の団体に恨みがあり、安倍元総理が繋がりがあると思い込んで犯行に及んだ」と供述していて、「私がしたことに間違いございません」と容疑を認めているということです。犯行に使った銃は手製で、長さ約40cm・高さ約20cmで、山上容疑者の自宅マンションから手製の銃のようなものを数丁押収したと明らかにしました。

 山上容疑者は「現場には電車で来た」と話していて、取り調べに淡々と答えているということです。

 また、安倍元総理の左肩に1か所、首に2か所の銃創が確認されていて、今後、司法解剖を行って銃弾が貫通したかどうかなどを確認するとしています。

 警察は、安倍元総理が死亡したことから容疑を殺人に切り替えて捜査しています。一方で「安倍元総理の警備体制に問題がなかったかどうか今後確認を進めて、問題があれば適切に対策を講じたい」と話していました。