連日続く猛暑による影響などで、電力需要が高まり、東京電力管内では「電力需給ひっ迫注意報」が出ました。そこで、家庭で使うエアコンや冷蔵庫などを無理なく節電効果が発揮できる方法について、6月27日にMBSの『よんチャンTV』に出演した節約アドバイザーの和田由貴さんに解説していただきました。

部屋の内側で「カーテン」よりも外側で「すだれ」で熱対策を

ーー「エアコンを制する者は節電を制する」ということで、夏の電力の使用量というのはエアコンが大きいですか?
「1年間を通して見ると、冷蔵庫の方が割合は多いんですけど、夏限定で見ると圧倒的にエアコンなので、エアコンの節電に気をつけていただくことが大事です」

ーーエアコンの節電において、室内の温度を上げないために、窓に熱を持たせない工夫が必要ということですが、どういうことでしょうか?
「直射日光があたってると当然部屋の中は暑くなるので、熱の流入が夏の場合は7割は窓からだというふうにされてるんですね。そのため日光を防ぐということが大事なんですけれども、それ以前にその窓自体に日光が当たっていると窓が温まってしまって、そこが熱源となって部屋が暑くなっちゃうんですよ。ですから、窓に対策をするときには内側でカーテンとかそういったもので対策をするよりも、外側で『よしず』とか『すだれ』などで日よけをする方がより熱が入りにくい。できればすだれとかよしずなどで対策をしていただいて、雨戸やシャッターを閉めていただくのもいいんですが、これも直射日光が当たって、その部分が熱くなってしまうというのも良くないので、できれば外側でやっていただくのがいいかなと思います」

ーーあと最近では緑を植えたりするグリーンカーテンなども効果はあるのでしょうか?
「そうですね。葉っぱだと蒸散効果もあって、より涼しく感じられるんじゃないかと思うんですね。さらに窓ガラスに遮熱シートを貼ったり、カーテンを遮光や遮熱のものに変えるのも効果があります。どうしても、マンションなどで外側に対策ができない難しい環境であれば、内側で対策をしてください。窓ガラスに貼る遮熱シートや遮熱カーテンなどがホームセンタなどで売っていますので、そういったことで対策をしていただくといいと思います」

ーーポイントは在宅時だけでなくて、不在時の遮熱も考えてと?
「ずっと留守にしていた部屋はものすごく暑い。やっぱり日中に日射が当たっていることによるものが大きいので、そこで対策しておくと帰ってきたときに涼しい。日中いない寝室などの部屋も日が当たりっぱなしになっていると夜の寝苦しさに繋がります。そのため日中不在の部屋でもできれば日射対策をしておくと、涼しく過ごせるかなと思います」

エアコンの「設定温度下げる」「風量を上げる」どちらが節電に効果?

ーーエアコンの今度は使い方についてです。暑いなと思ったら、設定温度を下げるか、風量を上げるか、節電面ではどちらの方がいいのでしょうか?
「風量を上げる方がより節電に繋がります。設定温度を変えると、大体1℃で約10%消費電力が変わってしまうんですね。しかし風量を上げても下げてもそれほど電力に影響はないので、風量を上げて風が当たることによって体感温度が若干下がります。それで少し涼しく感じられれば設定温度を控えめにしながら風量を上げた方がより節電にはなるかなと思います」

暑くて“ジメジメ”エアコンの「冷房」か「除湿」かどちらが節電?

ーージメジメと感じた時は「除湿運転」と「冷房運転」どちらをを使った方が節電になるのでしょうか?
「除湿運転は機種によっても多少違いはあるんですが、湿気が一番取れるのは『冷房運転』です。除湿運転は温度が低いんだけど湿気が多いとき、例えば『梅雨時の少し肌寒い時』や『冬場に部屋干しをして湿度が上がって結露ができた時』に使う機能が『除湿運転』なんですね。だから夏の暑いときには素直に冷房にしてください」

エアコンの室外機は『日よけ』することも節電に有効

ーー風が出る道具として使われている「扇風機」と「サーキュレーター」ですが、どのように使い分けたらいいでしょうか?
「同じ風が出る道具ですけれど、用途が違うんですね。『扇風機』は広くて柔らかい風がフワっと出るような道具なので、人に風を当てるための道具です。一方で『サーキュレーター』は直進的な風が遠くまで届くような作りになっていますので、部屋の空気を撹拌(かくはん)する際に向いています。そのため、部屋の空気をまんべんなくかき混ぜたいなという場合には『サーキュレーター』の方が向いてますし、直接当たって涼みたいという場合には『扇風機』の方が向いています」

ーー室外機を覆うと涼しく感じるということを聞くのですが、実際にはどうなのでしょうか?
「室外機に直接日が当たっていると効率が落ちるんですね。日よけをつけてあげるのはいいですね。しかし、吹き出し口を塞いでしまうと、色々な電力がかかります。あと外に置いてると、雑草が茂ることもあるので、きちんと風通しを良くしてあげて、吹き出し口を塞がないよう日よけをしてあげるのも有効です」

冷蔵室は7~8割で冷凍室は”パンパン”に詰めたほうが「効果」

ーー冷蔵室は7割~8割の容量で使う、一方で冷凍室は詰めて使った方がいいということでしょうか?
「冷蔵室の場合は、冷気が循環しないと余計な電力を使っちゃうんですね。それに対して冷凍室は中の物がみんな凍っていればお互いに冷やしあっている状態ですし、保冷効果がより強まるわけです。特に今年は節電の要請もあって、万が一の停電の場合に備えて、もし隙間が空いてたら水が入ったペットボトルなどを入れて凍らせておくのもいいかなと思います。冷凍室はきっちり詰めておいた方が節電になります」